なぜ人は結婚するのか?

好きな人と一緒にいたいから?

それもあるでしょう。

しかし殆どの場合は、もっと別の理由がある。

それは結婚することが、一般的な常識だからです。常識だからある程度の年齢になっても、まだ結婚していない人がいれば、常識と違うことをやっているから、「結婚しないの?」と疑問に思う。

 

また世間一般の常識的なことや、皆と同じことをしたいから、皆が結婚しているぐらいの年齢になったら、自分も結婚しようかなとか、結婚しないとまずいかな、といった考えが出て来る。

もちろん結婚することが、悪いだとかそういう話ではなく、また結婚だけの話ではなく、殆どのものが、周りの影響を受けた結果、それに自分も従っていることが多いということです。


 

もし周りの人が、誰も結婚のようなものしていない、また結婚と言う概念がない時代、常識であれば、結婚しようとする人など、殆どいないでしょう。

またそんな中でも、結婚のようなことをしたいと思ったのであれば、周りと比べたり、皆と同じだからと言う理由ではなく、本当にそう思ったものです。

 

しかしどんなことでも、常識とは違うことをすれば、村八分のようにつまはじきにされてしまう。

常識と違うことは考えてはいけないし、言ってはいけないし、行動に移してはいけない。昔であれば、そんなことをすれば、裁判にかけられたり、殺されたりもした。

 

特に天才というのは、常識とは反対の考えを持ってきた人たちですが、そんなことすると、権威のある優秀な方々を筆頭に、「お前は神を冒涜するのか!」のような感じで、世間からも猛烈なる批判を受けてきた訳です。

また天才の考えが受け入れられるまでに、数百年もの月日が必要だったりもする。

本当はそうしたものが無ければ、進化のスピードというのは、もっと早いものになっていましたが、それが中々難しい。

 

一つ余り知られていないだろう例を紹介すると、消毒法の先駆者として知られ、「母親たちの救い主」とも呼ばれる、ハンガリー人の医師、センメルヴェイス・イグナーツ(1818年~ 1865年)は、

産科医が次亜塩素酸カルシウムで、手を消毒することで劇的に産婦の死亡率を下げることが出来ることを発見したが、当時の医学界に受け入れられず、笑いものにされた。

そのことから神経衰弱に陥り、精神科病棟に入れられた際、衛兵に暴行を受けた際の傷がもとで、47歳にして膿血症で亡くなったのです。

 

酷いもんですが、今は余り暴力を受けたり、殺されかけることは少なくなりましたが、天才たちの新しい考えを、否定しない時代になったのかと言えば、それは今も昔も変わらない。

「私は天才の言うことなら信じます」

という人はいるかもしれませんが、それは世の中から天才だと認識されてそう思うのであって、そうでなければ、自分と考えが違うものは、必ず証拠を突きつけられ、認めざるを得ない状態になるまでは、過去にしがみつき、新しい方法や、考えを拒否するでしょう。

 

だから私は、昔よく自分に問いかけていました。

天動説を信じていた時代に、自分が生きていたとして、地動説を訴える人を弾劾するような考えになっていないか。

電波を飛ばせることを知らなかった時代に、それを言った人を、「コイツ頭おかしいんじゃないか」と思わずにいられるだろうかと。

 

スポーツで言えば、昔水飲むなと言われたいたのが、今は水を飲めと言う常識に変わりましたね。

その当時、水を飲んだ方がいいと言っていた人がいて、それを「こいつは何も分かっていない!」などと思ったりしなかったかどうか。

また今は、もう水の常識は変りましたが、他の分野では、間違った常識を信じている可能性もあり、「こうじゃないか」と、常識とは全く違うことを言っている人がいた時に、それを否定してしまいがちになる。

 

私は、大事なのは腹筋背筋ではないとか、子供にランニングさせないとか、色々と常識とは違う考えを持っていたりする。

それについて、もし世間の人に受け入れられないとしても、各自、自分の好きなこと、信じたいものを信じればいいだけのことだし、私自身が殺されかけることもないので、特に気にしませんが、自分が無意識に、常識的なことなどに、囚われていないかに気を付けている。

気を付けていても、どうしても常識的なことがインプットされ、その先入観や思い込みにすら、気づかなくなるからです。

 

ただ自分が天才的になろうとか、何かでプロやトップになろうという人に限らず、一つの考えに固執するより、あらゆる可能性を考えれば、もっといい方法が見つかりやすい。

子育てなどにしても、常識的なお母さん像を、作り上げたりすると、こうしなきゃいけないと思い込んで、苦しくなったりする。

そうやって、本来誰しも自由なはずなのに、色んなことに縛られるのです。

 

一つのことに拘らず、自分の考えと違うものがあっても、そういう考えもある、その人はそう考えたんだと、受け入れる。

すると少し自由で楽になりますかね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>