今はコンビニも、車も、エスカレーターも、テレビも、ネットもなんでもあって、ボタン一つで出来てしまう便利な時代です。
それだけ便利な時代になっているから、便利なことに慣れてしまっている。
しかしそれが余りに慣れ過ぎてしまうと、問題になる。
整体をやっていると、時折、「そんなに自分に都合のいい事考えるもんかな」と思うことがありますが、便利に慣れ過ぎて、何でもありだと思っていたりするんですね。
「寝すぎたら腰が痛い」と言うのなら、寝すぎなければ済む話なのに、何でもありだと思っているから、そんな簡単なことが分からなくなっている。
「仰向けになったら痛い」、「うつ伏せになったら痛い」、「寝てたら痛い」、「朝起きたら痛い」などと言うのなら分かりますよ。そうではなはなく、寝すぎたら痛いですからね。また、
「それ、誰でも痛くなりますよ」
と言うと、
「えっ、そうなんですか?」
なんて言って、これは漫才なのかとも思うんですけどね。
股関節が痛くて、悩んでいるという人が、長時間椅子に座ると痛いと言って、仕事をしているのならそれは分かるし、また10分程度で痛くなるなら、食事するのも大変だろうと思う。
しかし、仕事をしていなく自由が利く環境で、股関節が痛くて悩んでいると言うのであれば、時折立ったり、姿勢を変えたり、長時間座らなければいいだけのことで、股関節に問題はあるにせよ、それ程悩んだりもしないで済むことでしょう。
しかし、今まで間違えていたにしても、
「そっかぁ!てへぺろ」
みたいな感じで、自分で悩みを増やさなければ、後は問題が起きている分を解決すれば、すぐ良くなりますが、何でもありの発想から抜け出せず、その所で悩んでいたなら、自分で悩みを増やすことになり、何でもありの発想から抜け出すまでは、どうしても苦労する。
ついでに、もう少し詳しいことを説明すれば、元々どこも痛くない人だって、ドラマや映画をずっと同じ姿勢で見ていたら、肩が凝ったり、腰や背中が痛くなったりぐらいするものですが、自分で変えれるにも関わらず、そうしないというのは、自分で股関節の痛みを必要とし、悩んでいたいということになる。
そうしたことから、本質的な問題は股関節ではなく、違う悩み、ストレスを抱えていると考えられ、そこに根本的な原因がある。
股関節の場合、確かに先天的に股関節の形成不全があったり、股関節が変形してしまうと、普通の人に比べ、股関節などに痛みなど出やすくなるのですが、基本的に全ての痛みや症状は、本質的な問題ではなく、その形となって表現しているに過ぎません。
本当の大ボスは他にいる。
ただ大ボスは簡単に倒せる相手ではないので、中ボスぐらいを倒しながら、人生ちょっとした山あり谷ありがありながらも、最終的に割りといい人生だったなと思えれば、いい感じでしょうかね。
もちろん「大ボス倒すぞ!」という方は、是非チャレンジして下さい。
話を戻し、他に割りとよくあるケースで言えば、運動不足が原因で、体に問題が起きている場合、当たり前のことだけど、運動不足を改善しない限りは治らない。
しかしそれが本人には分からないのです。
食べることには慣れているから、大抵の人は、「栄養不足ですね」と言われれば、「そっか、もう少し食べないとダメだな」と考えますが、運動不足に慣れ過ぎているから、運動不足が原因と言われても、
「そんなことある?それは関係ないだろう」
「まぁ、それはいいから、早く治してくれ」
のように、サプリメントのようなものや、誰かに治して貰おうとする。
今は暑かったらボタンで「ピッ!」、寒かったらボタンで「ピッ!」、テレビ見るのにボタンで「ピッ!」など、
自分を変えることなく、周りを変えることによって、自分の欲求を簡単に満たすことが出来てしまいます。
そのためその延長で、運動不足といったことも、それを変えることなく、サプリメントや整体で治して貰えるもの、またそれが効かなければ、それがダメだったんだなと考える。
「頭痛になったらすぐ薬」みたいな感じで洗脳されている所はあるし、お医者様が直ぐ薬や湿布を出すものだから、薬や湿布で治そうとするのも、致し方ないことですけどね。
今までの話から病院や整体というのは、あくまで対処療法的な所で、根本的な原因を治せるのは自分自身でしかなく、治してくれる所ではないというのが、少し分かってくれたのではないかと思います。
どんな名医にしろ、整体の名人にしたって、運動不足を直すかどうかは、本人にしか直せない。
ただ自分じゃ原因がよく分からなかったり、誰も言ってくれる人がいなかったりするから、整体のような所が必要になる。
整体を受けることによって、どういう所に問題が起こっているのか、どういったことに原因があったのかなど、ヒントを貰う必要があったり、自分を振り返るきっかけになったり、また施術で負担がかけて来た所や症状が、改善出来たり、精神的にリラックス出来たりもする。
喩えるなら良質なサプリメントと言うか、諸葛孔明のような軍師のようなものです。
ただし、どんなに良質のサプリメントを摂ろうが、メインとなる食生活が間違っていれば、最大限の効果は出ないし、天才軍師の助言であっても、それを聞き入れないのであれば、戦に破れることもある。
便利になったことはいいことですが、それに慣れ過ぎ、行き過ぎ、甘んじていると、痛みや病気、また悩みを抱えるなど、後に後にツケとして、自分に返って来るかもしれない。
便利なことには、少し気を付けてみてください。