前々回のセミナーで、
「アナと雪の女王の続編が間もなく出ますが、ヒットすると思いますか?」
と聞いたところ、「ヒットしないと思う」という答えがあった。
実際の所は、蓋を開けてみないと分からなかったりするので、ヒットすると思うも、しないと思うのも自由でいいとは思うのですが、その理由を聞くと、「私見たことないから」とか、「興味ないから」だった。笑
そんなこと言ったら、私は妖怪ウォッチを殆ど見たことないし、興味もないけど、大ヒットしたし、ヒカキンさんの動画もほとんど見たことがなく、面白いとは思わなかったけど、動画登録者数は、なんと770万人もいる。
逆に最近私は、時代劇の「長七郎江戸日記」を大変気に入って、月曜日から金曜日まで楽しみにしているのですけど、私が見ていて好きだからと言って、大勢の人が見るようにはならないでしょう。
自分が見てるとか見ていないとか、興味がないからヒットするしないの根拠には、全くならない。
しかし自分では全く根拠にならない根拠でも、立派な根拠だと信じている。
前回は多くの人が根拠としている、「過去」と「自信」についてを説明しましたが、もし正解、真実にたどり着きたい、予測の確立を上げたい、必然性を上げたい、というのであれば、根拠を突き詰めていく必要がある。
普段よく使われている理由、根拠としては、
「お兄ちゃんだから」、「一生懸命頑張っているから」、「前例がないから」、「常識だから」「科学的、医学的ではないから」、「皆やっているから」、「皆と同じだから」、「プロが皆やっているから」
みたいなのがありますが、これだけを見れば、一つの参考にはなるかもしれませんが、それが何の根拠にもならないだろうことが分かるでしょう。
しかし、自分がそれを使っている時には、まともな根拠のように思えてくるのが不思議なものです。
それが何故かと言うと、文章だけを見た時には、当事者ではないため、俯瞰して見ることが出来ますが、自分がその立場になった時には、その次元でしか物事が考えられなくなり、その上の次元がある事が分からなくなる。
また今までの知識と経験が不足していた場合、その根拠が現在の自分にとって最上級のものであり、自分以外においても、最上級であるかのような錯覚を起こすためです。
しかしたとえ今の自分にとって、最上級レベルの根拠であっても、その道のプロでも、同じようにそれが最上級であるとは限らないし、真実であるとも限らない。
根拠のレベルを上げ、間違った根拠を信じ続けないためには、それをまず知る事です。
それを知った上で、自分では完全なる根拠だと思うようなことでも、絶対にそうだと決めつけず、本当にそうなのかどうかを裏付けを取ったり、確かめる習慣を付ける。
それ程重要でないものであれば、一々今すぐ確かめたりする必要もないですが、特に自分にとって重要なことは、鵜呑みにしたり、自信過剰になったりせず、確かめる必要があるでしょう。
知識経験が未熟な内は、正しい根拠、真実の根拠を持つことは不可能で、どんな人であっても、最初に持つ根拠は、必ず未熟なものです。
根拠というか、自分が考えた結果通りになることがありますが、それは正しい根拠を持って、結果を予測できたのではなく、たまたまでしか過ぎない。
必然的ではないのです。
投資なんかでも、最初上手く行っていると、「やっぱり自分の考え、やり方は正しかったんだ」と思ったりしますが、後でガツーンと食らうのは、勝てたのはたまたまで、完全なる根拠ではなかったからです。
自分が持った根拠が、覆されることを繰り返されることによって、より本質的な根拠に近づき、初めて根拠の精度が上がってくる。
ただ確かめると言っても、自分の都合のいいように考えたい、信じたい場合は、それを否定するものは、無かったや間違っている事にし、自分が正しいと言う情報だけを、取り入れてしまうという、自分都合のフィルターがかかる。
それが行き過ぎると、自分都合スパイラルに陥り、そこから抜け出せなくなりますが、そうならないためには、自分を肯定する情報よりもむしろ、否定するような情報を探し、その結果、
「否定したかったのだけど、調べれば調べる程、自分が正しいことが証明されてしまう」
となれば、正しい可能性が高いでしょう。
普通にやってしまうと、どうしても自分には甘くなって、それは身内が審判しているようなもの。
そのため第三者のような立場、自分とは逆の立場となれば、ひいきはなくなり、公平性が保たれる。
本質は全てにおいて共通しますが、最初の段階ではどんな人、どんなことであっても、浅い段階で、それを突き詰めることによって、初めて深い段階に入って行きますが、
根拠ということにしても、最初の段階では、自分なりの根拠を持ちさえすれば、それは立派に通じるものだと思っていたりしますが、実は根拠もそうではなく、深く突き詰めることによって、初めて深い根拠になって行く。
そうすると、色んなことがよく分かったりもする訳です。
自分とは違う考えに出くわした時、「本当にそうなのかなぁ~」と思うことがありますが、自分が絶対こうだと思っているもの、また当たり前になり過ぎていて、根拠を考えることも忘れてしまったものもあると思いますが、同じように、
「本当にそうなのかなぁ~」
「これでいいのかなぁ~」
と考えてみてください。