治らない本当の原因

どんなものでも重要なことは、根本的な所です。

病気や体の痛みでも、多くは症状に囚われ、それを取り除けば全てが解決するみたいに考えがちですが、根本原因が変わっていなければ、たとえその症状が取れたとしても、また時間と共に出て来るし、もしくは違う形に変えたり、もっと酷くなったりする。

整体にしても、大体の人は治して貰おうと来ますが、その気持ちは分かるものの、あくまで先生は補助的なもの、ヒントを与えるようなもので、自分が作り出したものを、変えることが出来るのは、自分しかいない。


 

この辺りは非常に難しい話ではありますが、私の経験からしても面白いのが、

「完璧に歪みが取れたぞ」

みたいに施術した時に限って、次来た時にもっと酷くなることが多くあり、その度、痛みや症状というのは、今のこの人にとって、必要なものなんだと、思わせられる。

これは痛みなどであっても、変化を嫌い、現状維持しようとする所や、根本的な原因が他にあるからです。

だから全て取り除くことは良くなく、ある程度残しておかなければならない。

 

一つ印象に残っているものですが、稚内で海上保安庁で働いているという人が、体を壊して態々旭川までリハビリに来ていました。

その人はバランスが悪くなり、片足立ちが出来なくなっていたのですが、病院でずっとリハビリしているものの、全く良くならないと言います。

そんなずっと治らなかった症状を、私が簡単なバランスを整える体操を行わせると、ものの5分もしないで、立てるようになった。

 

それでどれだけ驚くか、喜ぶのかと思ったのですけど、何も喜ばない。当然感謝の一つもされない。

結局その人にとっては、治ってしまうと困るんですね。

 

詳しい話は聞きませんでしたが、毎日ロープを引く訓練があるらしくて、恐らくそれをやりたくない、仕事をしたくない、行きたくないから、子供がプール行きたくなくて熱を出すのと同じように、体のバランスを崩す方法を編み出したのです。

その甲斐あって、仕事を休めるようになったのに、治されたら困るんですね。

こういう場合は、仕事を辞めるとか、考え方を変えるなどしないと、絶対に治らない。

どんなに技術があって治したとしても、またおかしくなるか、違う何かで体を痛めるか、もしくは次こそは絶対に大丈夫なように、もっと悪くしたりするようになります。

 

少しついでに、体が硬い人で開脚で床に頭をつけるのが夢だという40代の男の人がいて、

「へ~、じゃあつけましょうか?」

とこれも5分もかからずに頭をつけた。

 

私としては、夢を叶えてやったのだから、

「うわぁ~~!夢みたいだぁ!!」

と喜んだり、嬉しさの余り泣き出したり、

「お礼に一千万円差し上げます!」
「何かあった時は、私が連帯保証人になります!」

 

というぐらいな反応を示すのかと思いきや、ぽかんとしてる。笑

夢だと言っていたけど、夢なんかじゃなかったんですね。だから私は余計なことをしてしまった。

 

以前プロになりたいという夢は、プロにはならない、本当はなろうとは思っていないと説明しましたが、それと同じです。

床に頭を付けようとする行為そのものが夢で、実際に床に頭がついたりしたら困るし、実際に困っていた。

自分が考えている事、言っていることと、潜在意識や本当の自分とは違うのです。

 

もし病気や痛みなどあれば、誰だってそれを失くしたいと思っている。

しかし潜在意識もそう思っているかというと、必ずしもそうではなく、治らないものは特に、逆のことを思っていることが多い。

病気や痛みがあれば、仕事が休めたり、皆から注目されたり、同情されたりもうするし、「あいつのせいでこうなったんだ!」と、私はこんなに酷いことをされた、あの人を憎んでいるということを、症状によって確認できる。

そんな風に、病気や痛みがあることのメリットというのは、意外と多くあるのです。

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