頑張るほどに弱くなる

頑張るほどに強くなるものだと、誰もがそれを信じている。

しかし、実は頑張るほどに弱くなる。

そんなことを言われて、あなたは直ぐにそれを信じることが出来るだろうか?

まぁ、「こいつ、バカ言ってんでねぇ!」とならず、ゆっくり行きましょう。笑

 

最近のセミナーでは、中心軸の更に発展形である、側軸についても行っています。一般的には中心軸も何かさえ分からない、知られていないので、側軸ともなれば、全く訳分からないような世界でしょう。

またそれの関連として、この間、ブログでも曲がらない腕について書いたので、それもやってみました。

これらは全く関係の無いようでも、全て本質的に同じことなのです。

同じというのは、頑張らない身体、周りに左右されない身体、軸といったもの。

 

前回の参加者は、ずっとセミナーに参加してくれている人たちでしたが、皆ちょこっと程度教えたぐらいで、直ぐ出来ていたのには、私も驚きましたね。

私が力入れて、女性のか細い腕(肘)を曲げようとしても、全然曲がらないんです。

私なんてそれが分かるまでに、あれやこれやと研究し、何年もかかりましたから、羨ましい!


 

もしかしたら、

「そんなことが出来たからと言って、だからなんだ!」

と、思うかもしれませんが、それを行うことによって、一流アスリートの体とは、どういうものなのか、また一般のアスリートとは、まるで違うことを理解したり、

体の不思議な力、自分が気付いていない力、潜在的に眠っている力、自分の持っている可能性、自分が知らない世界がある事を、自分の体を通じて経験をすることで、

四角い頭が丸くなったりもするし、努力というものを少し考えなきゃいけないとか、自分にも出来るんだ、という自信を持てたりなどするのです。

 

次に、

「今度はペアの人が、腕(肘)を曲げようと力を入れるのに対し、頑張ってみてください」

と言って、頑張って貰うと、さっきまでは曲がらなかったのに、何故か頑張る方が力が弱くなる。

また何とか力で耐えれたとしても、上腕三頭筋など、筋疲労を起こし、とても疲れる。

 

普通は頑張る方がいい、強くなると考えるのが、世の中の常識です。

しかし実際には、大して力を入れていないようなやり方、楽なやり方が強い力が出て、頑張るやり方は、やっている感、努力感、疲労感はあるけれど、実際には強い力は出ていなく、むしろ弱くなっている。

だからこそ、スポーツで言えば、高いパフォーマンスを発揮出来る人と、そうでない人との違いがあり、また筋肉が柔らかい選手と、直ぐにパンパンに張る選手とがいるのです。

 

またこれを行いましたら、もう一年以上セミナーで勉強してくれている人で、感性もあり、吸収力もある人なのですが、「ショックでした」と言っていた。

一年以上勉強していても、少し真面目な所もあってか、まだどこかで頑張ることがいい事だ、と思っていたのが、残っていたのでしょう。

しかしショックを受けたということは、今まで以上に、本当の努力とは何かをより深く理解し、次の段階に入ってレベルアップしたことを示す。

 

もし生れた頃から、正しい努力を教えて貰えている人ならいいのでしょうが、私自身も、今はその記憶が薄らいでいるものの、かつては「これをもっと早く知っていたら!」と、色々とショックを受けていました。

でも、そうしたショックを時折経験しながら、人は成長して行くものなのかもしれない。

 

こうした自分の常識と違うこと、今まで体験や経験したことの無いもの、自分の知らない世界のことは、いくら言葉や文書で説明したとしても、余りピンと来なかったり、

「何訳分かんない事言ってんだ!」、「あいつの言うことは間違っている!」、「あいつは嘘をついている!」、「騙すつもりだな!」

という感じで、中々理解出来ないと思います。

 

百聞は一見にしかずとも言うように、言葉や文章ではなく、体験を通じて初めてそれが分かるのです。

 

しかし誰しもがセミナーに参加して、体験することが出来なかったりもするから、私たちには、オノラという存在が必要になる。笑

オノラが色々と教えてくれるので、そこから学ぶことが出来れば、頑張ることに対して、少し考えを変えるヒントとなる。

honora
神様、仏様、オノラ様。

 

サバイバルを途中リタイヤしたオノラは、とても頑張り屋でした。

努力は裏切らないとか、努力すれば報われるのであれば、オノラは男性のパートナーマットとも上手く協力し合ったり、リタイヤするのはマットであって、オノラがサバイバルを達成できたはず。

しかし実際にはその逆で、頑張っていないマットが、寝床を作り、食料を毎日調達し、オノラにも食料を与え、サバイバルを達成した。

その反面オノラは、頑張っていたにも拘らず、食料の調達も殆ど出来ず、虫眼鏡で水を消毒しようと、一日の殆どの時間を使い、また炎天下の中、外に長くいたものだから、リタイヤすることになった。

 

40日間のサバイバルでは、クリスとルークは、「あの木の実を取ることは危険過ぎる」といった感じで、頑張ることはせず、淡々とこなして行く。

しかし頑張って自分の実力をアピールしたかったオノラは、何が何でも木の実に拘り、またヒステリック的に情緒不安定となっていき、最終的には、仲間の命を左右するアイテムを捨て、またしてもリタイヤしてしまう。

誰よりも頑張っていたはずなのに!

luke

 

サバイバルにおいて、精神を安定させることは、最も重要なことの一つです。

普段の生活において、いくらお金がないと言っても、殆どの人は、水もあるし、家もあるし、食料も何かはあるでしょう。しかしこれがサバイバルになると、水がなければ、死を意味する。食料が無ければ、空腹と不安でストレスは強くなるし、判断力も鈍る。

また温かい布団で、静かに安心して寝られるのとは違い、気温差が激しい環境では、夜の寒さで眠れないし、動物に襲われる不安、虫に刺されたり、ダニに噛まれたりで、自律神経は乱れるし、抵抗力も落ちる。

 

そうした極限状態、自分のパフォーマンスが一番低い状態でも、サバイバルでは、パニックを起こすことなく、パフォーマンスを発揮して行かなければならない。

オノラも知識や経験があったかもしれないけど、最も重要である精神を安定させなければ、自分の持っている知識や経験を活かすことが出来ず、サバイバルを達成することは出来ない訳です。

 

またオノラには、自分のサバイバル技術を証明したい、認めて貰いたいと言う思いがありましたが、サバイバルを達成すると言う目的そのものから言えば、それは余り関係の無いことで、その頑張りは、全く無駄な頑張りであった。

そうであるのなら、むしろ全く未経験の女性の方が、サバイバルを達成する可能性が高い。

 

何故なら、全く知識も経験もないの人であれば、まず経験者であるクリスとルークの話をよく聞いて、実践する。

またクリスとルークにしても、全くの未経験だということが分かっているから、無理な要求はしないし、

当然サバイバルでは、技術が必要なものもありますが、誰にでも出来るような単純作業が必要なこともあり、その場合人手が必要になることもある。

その時に、「これをやっといてくれる?」と、知識や経験の無い人にお願いすると、素直に、また確実にやってくれるから、それはクリスやルークにしても助かる。

 

他にも、たとえサバイバル技術が無くても、話し相手になることで、チームに調和をもたらしてくれるかもしれないし、案外全くのど素人が、何気なく発した一言が、経験者が気付かなかったことに、気づかせるヒントになることだってある。

そのため、知識経験の無いど素人が、一人だけでサバイバルを達成することは、当然無理なのだけど、却って中途半端な知識や経験のある人よりも、サバイバルを達成すると言う目的では、達成できる可能性が高いのです。

 

サバイバル以外でも何でもそうですね。

またもちろん、ど素人が粋がったとしたら、当然上手く行かない。

 

シェーンにしても、頑張らなければ良かったのに、頑張ったために、弱ってしまった。

体調が悪くなったダニエルのために、神に祈り、命がけで頑張って取った木の実も、さぞ喜んで貰えるかと思いきや、「これ熟れてない」ですからね。笑

体力も精神も無駄に消耗しただけで、頑張ってやる必要はなかったですね。

Shane

 

アラナは偏見や思い込みが強く、性格もきついため、衝突を起こしやすいから、いい方を考えたり、多少の妥協とかもすべきでしょうが、シェーンに言っていたことは、あながち間違ってもいなかった。

それを一人で、頑張んなきゃいけない、と言う思い込みで一人で頑張ったことが、アラナを不快にさせ、亀裂を生み、折角頑張って作った寝床も、アラナとダニエルのために作ったような感じになってしまった。

またそうした頑張りの結果、エネルギーを消耗したツケが後から来て、低血糖を招き、十分なサバイバル技術を持っていたにも関わらず、リタイヤにも繋がった。

alana

 

最初に脱水症でリタイヤした、ジェフとEJのチームの一人、ハキムにしても、実は頑張ったことに原因があったのです。

これは結構難しいことなのだけど、どうしても人は、役に立つ、優れた能力がある人
だと思われたい、もしくは皆の足を引っ張りたくない、お荷物になりたくない、という気持を少なからず持っている。

そうすると、わずかながらも、自分のペースを失ってしまう。

hakim

 

育児でも恋愛でも、自分の妄想で勝手に頑張って、疲れてしまう人はいますね?

ボランティアをするにしても、張り切っちゃって、疲れてしまいやすい。

それでボランティアに来た人が、病院に運ばれるなんて言うことがある。ボランティアをするのも、張り切らず、自分のペースで、休み休みやればいいんです。

 

シェーンもそういう気持が強かったから、自分のペース以上に頑張ってしまったのですが、ハキムは、ジェフとEJのペースに合せるのではなく、もう少し自分の体調をよく考え、気温の暑さなどに慣れるまで、「休ませてくれ」と、作業を余りせず、休んでいれば、リタイヤせずに済んだかもしれない。

また40日間の長期戦なのだから、最初出遅れたもの、迷惑かけたものは、後から挽回すれば良かったのです。

それを頑張ることをすると、リタイヤせざるを得なくなるなど、余計に弱くなる。

 

頑張るほどに弱くなることが、「そんなのは信じられない!」、「分からない!」と言うのであれば、実際にサバイバルをして、頑張ってみれば分かる事ですが、オノラなどの例を見れば分かるように、たとえ常識とは違ったとしても、それは常識が間違っていると言うだけで、実際には、頑張れば頑張るほどに弱くなる。

だからあなたもサバイバルを達成したい、夢や目標を達成したい、上手くやりたいというのであれば、頑張らない事です。

ただ頑張ることが習慣化しているから、意識的に頑張っていなかどうかをチェックしなきゃいけない。

 

オノラのように、なってはいないか?

本当にその頑張りは必要なことなのか?

誰かに頼まれたことなのか?それとも自分で勝手に考え出したものなのか?

自分のペースを乱して、疲れてはいないか?

 

もう一度よく冷静になる必要がある。

また違う意見や考えがある場合、常に自分が正しく、相手が間違っていると考えるものですが、

「これがいい!」、「これが正しい!」、「あいつはダメだ!」、「間違っている!」と強く思っているのなら、自分のペースを見出し、頑張っているのかもしれない。

 

ジェフやEJのように、

「あれじゃあ~、ダメだろうね」

ぐらいな感じで、冷静に客観的に、そう思ったのであれば、特に問題はないでしょう。またその時、自分の考えが間違っていたとしても、間違いに気付いた時に、直ぐに修正することが出来る。

ejef

 

しかし、「あの人のは間違っている!」、「自分は正しいんだ!」と感情的になり、頑張っているのであれば、オノラの様にリタイヤする事態になるまで、分からないかもしれない。

もしくはオノラの様に、一回失敗しても、それを糧に成長し、次にその教訓を次に生かせるとは限らないから、同じ失敗を繰り返し、頑張り続けるかもしれない。

 

人間だから時折熱くなったり、頑張ったりするのは仕方ないにしても、そうならないために、頑張っていないかを確認し、心落ち着かせるよう心掛けていれば、大きな失敗はしない。

無駄な頑張りで失敗しないためにも、オノラから色々と学んでいきましょう。

オノラに感謝!

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