分からないことに取り組め

当たり前だけど、自分が出来ることというのは、自分が知っている事しか出来ない。その範囲内でしか取り組めない訳です。

もしそれが、凄く広いもの、大きいものであったり、自分の夢や目標としているものが、その中にあるものであれば、それでいいかもしれないけど、そうでない場合は、その枠の中で、どんなに一生懸命努力をしたとしても、たどり着けない。

ではどうするかと言うと、その枠を広げていく作業をする訳ですが、そのためには自分が分からないこと、理解出来ない事について、取り組んで行くことです。

 

人は意識していないかもしれませんが、難解な数学や物理のようなものは、分からないと思っていても、何でも教えて貰えさえすれば、直ぐに理解出来ると思っているものです。

しかし、今までの自分になかった「概念」を理解する時には、「この人何言っちゃってんの?」というぐらいに、全く理解出来ない。

そうすると、自分が理解出来ないと考えるのではなく、この人の言っていることは間違っている、もしくはこの人は頭がおかしい、この人病気だ、こいつ嫌い、と考えたりする。

人間て面白いんですね。


 

また今までの自分になかった概念を理解しようとする時、頭でっかちな人程、今までの自分の経験や、知識で考えようとすることが多いですが、

それは今までの自分の経験や知識に無かったからこそ、その概念を持てなかったのだから、その中で考えようとすればする程、理解出来なくなるし、頭がパニックになる。

どんなに引き出しをひっくり返したって、無いですからね。

後はどこの引き出しだ、どこの扉を開けていないんだ、もしかしたら下駄箱に実はあるかもしれないなどと、どんなに頭を絞って考えたって、無いんだから無駄なんです。

 

何でも理解出来るなどと思わず、「これは自分に知らなかった世界なんだ」、「今は理解出来ないんだ」と認め、ジグソーパズルのピースを少しずつ集め、繋げていくことによって、次第にその全貌が見えてくる。

それが点と点を結ぶ作業です。

 

昨日少し紹介しましたが、合気道の達人、塩田剛三先生の動画。これ見てどう思いますかね?

嘘でしょ?やらせでしょ?

と思ったりもする。

 

何故なら自分が同じことをやったって、同じようにはならないし、年寄りが若い人に敵うはずがないという常識がある。

だからこれは嘘だろうとなり、もしくは思考を停止し、無かった事にしたりする。

 

しかし、自分が出来ないからこの人も出来ない、また自分の常識が真実は限らないはずなのに、無意識的に自分は全てを分かっている、全てを理解している、全てが出来ると思っているから、自分の辞書にないものを、嘘だと否定する訳です。

 

私の場合は一流アスリートの体や達人の体に関心があり、また嘘とは思わず、すげぇと思ったので、色々研究しました。

もちろん最初は、全く見当もつかないぐらいに分からない。多少大げさに言えば、死にかけるぐらいに、考え続け、毎日脳疲労を起こしていた。それこそ引き出しと言う引き出しは、開けてみたと思います。

 

お弟子さんにしても、塩田先生が存命の時は、誰も分からなかったらしい。

武道は秘密主義だったので、塩田先生も具体的な方法、やり方を教えなかったんですね。

しかし今は、100匹目の猿現象の様に、また情報化の時代もあって、出来る人は増えたし、一般の人が気軽に、習うことも出来る様になった。

 

もちろん武道や合気道などに興味がないのであれば、そんなことを特に勉強したりする必要はないですが、「そういう世界もあるのかもしれない」と考えるのと、「あんなのは嘘だろう」と考えるのとでは、また違って来る。

感性のある人であれば、「あんなのは嘘だろう」とは余り考えない。

柔軟に考えられるのか、そうでないのか、感性があるのかないのかで、反応が変わる。

 

また問題は、武道や合気道に興味は無くても、自分が取り組んでいる分野、夢や目標がある場合で同じようなことに出くわした時、自分がどうするかです。

自分が分からないとか、自分の考えとは違うから、それを否定するというのは簡単ですが、夢や目標などが、自分の知っている世界の外にあった場合は、そのままでは、絶対にそこに辿り着けない。

また自分の枠の中で考え、数年取り組んでも出来なかった、一生懸命努力しても出来なかった場合、「あの人は才能があるから」みたいな言葉で片づけることになる。

 

知っていることをやるというのは、学校の勉強とか、業務のような仕事をするにはいいですが、世界を広げるとか、上を目指すとか、成長するためには、余り効果がない。

それよりも自分が知らないことを知ることが大事で、更に分からないことに取り組むことによって、自分の世界を広げ、未知の世界を見ることが出来る。

 

私も毎日分からないことに取り組んでいます。

分からないもんだから「誰か教えてくれぇ~」とか、たまに叫びたくなる。笑

それでも続けていると、徐々に分かって来て、点と点が線で繋がったり、ジグソーパズルの様に、形が見えて来たり、完全に理解したりする。

 

皆さんも、自分の知っていることやるとか、ただ暗記するような勉強ではなく、世界を広げるとか、上を目指すとか、成長するためには、まず自分が知らないことを知って、知っている事よりも、分からないことに取り組んでみてください。

世界が広がりますよ。

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