セミナーでは、鍛錬法をいくつか教えました。
まずはスクワット。
何も知らない人の場合、フォームも適当ですが、大腿四頭筋に頼ったスクワットを行う。しかし大腿四頭筋はブレーキ筋とも呼ばれていて、スポーツのパフォーマンスは上がりにくい。そのため現在スポーツ界では、スクワットは股関節を意識し、ハムストリングスを使うスクワットが常識となっている。
セミナーで教えたのは、それよりも更に進んだ方法。世界最先端。笑
でも昔の日本人は知っていたことだし、錦織選手はスクワットの指導を受けて、「難しい」「出来ない」などのことを言っていたので、もしかしたらやっているかもしれません。
ただ私であれば、教える気さえすれば、理論的に教えることが出来るので、直ぐに分からせることが出来る。
それと一流の選手の場合は、習わなくても自然と出来ていたりもします。
筋トレにデメリットがないと考える人もいますが、フォームが適当なスクワット、多少フォームをかじって主動筋が大腿四頭筋のスクワット、股関節伸展のスクワットでは、やっていることが全て違うから当然効果も違う。
それを知らないから、デメリットがないと思ってしまう。
スポーツをやっていて、高いレベルを目指しているのであれば、それをよくよく考えることです。フォームを知らないレベルなのか、フォームを習ったけど実際には全然違っているのか、(例えばスクワットであれば、よくつま先を上げる人がいる)、フォームは仮に正しくても質的には問題ないのか。
それがどの段階のトレーニングに取り組んでいるかによって、将来が決まる。とは言っても、知らない人には無いことと同じであるから、知ることは出来ない。だから無知というのは大変恐いのです。
スポーツでプロレベルになれないのは、何も知らないから聞いたことのある「才能のせいだ」と片づけてしまいますが、そうではなく取り組んでいたレベルが低いものだったため。
簡単に言えば、無知が原因。
とは言っても、人間は誰もが無知な存在です。そのため出来るだけ無知にならない様に、常に謙虚になり、考え続け、もしくは専門家を見分ける力を養っていかなければならない。
次は四股。
スポーツではスクワットが行われることが多く、それだと股関節の使い方や上半身の使い方が限られてしまう。そのために四股のような動作を行って、膝、股関節、上半身の使い方を練習する。
鍛錬の場合は、筋トレのようにただ強化するのはなく、体をどう使うかを訓練していく。そうしない限りダメな人は、ダメなやり方でやり続けるので、プロや一流のアスリートにはなれない。
素質が悪い人はいくら練習した所でダメですよね?当然何もやっていない人よりは上手くなったりしますが、素質のある人が同じだけ練習したら、全く歯が立たなくなる。
しかし素質は変えることが出来る。多くの人がその方法に気が付かないだけです。
次に腕立て。
腕立ても単純ですが、単純なものほど難しい。しかしほとんどは何も考えないで行う。フィットネスクラブなどでは、胸を張りなさいと言った指導がされますが、それぐらい。後は手の向きや幅を変えてバリエーションを付ける。
ダンベルのようなものを使って、可動域を広げたりして、大胸筋により効果的に効くようトレーニングしたりもしますが、スポーツでパフォーマンスを上げることが目的であれば、そうしたではなく、根本的な所から見直す必要があるのです。
筋トレに詳しくない人は知らないと思いますが、昔有名なボディビルダーでマッスル北村さんという方をご存知でしょうか?さんまの何でもダービーでしたっけ?など、テレビにも出ていたので、知っている人もいるかもしれません。
たけしの教育委員会にも出たこともあり、友人からのアドバイスで、「タンクトップを着てみたら」と言われてタンクトップで出たら、次から呼ばれなくなった。笑
それはさておき、マッスル北村さんは中学の頃に毎日千回ぐらいの腕立てを行っていたのですが、素質のある人というのは、誰に習わずとも自然と出来ています。
腕立てもやりさえすればいいと思われていますが、腕立てをやれば体が即弱くなる。腕立てと言うより、間違った腕立てですね。しかしほとんどの人は間違っている。
セミナーでも実験しましたが、腕立てを軽めに三回行って貰いました。その前後で、立った状態から片腕を前に伸ばし、それを上から抑えて貰って、力をチェックする。そうすると、腕立て後には弱くなるのです。皆さんもやってみて下さい。
これは筋疲労が原因ではありません。
だからやればやるほど、腕立ては体が弱くなってしまう側面がある。スポーツであればパフォーマンスは低下し、健康で言えば不健康になる。
実業団の長距離選手も腕立てを行ったりしていますが、腕立てをやりさえすれば、パフォーマンスが上がると言う、イメージだけでやっているものだから、全く意味がないことをやっていても、気づいていなかったりします。
意味がない所か、逆にパフォーマンスを落としている。
上腕三頭筋が、無駄に筋疲労を起こして、凝り固まった筋肉などにしてしまえば、血行が悪くなり、その分若干ではあってもスタミナは低下するので、パフォーマンスを落とすのです。
また長距離の選手に上腕三頭筋の筋力などほとんど必要ありません。それにも関わらず、補強運動として腕立てが行われたりするのは、何故なのかを考えなければならない。
ただ伝統的に行われてきただけなのか、もしくは何らかの意味があるのかなど。
そうしたことを考えて、ではどうすればいいのかとなる。
その方法をセミナーで教えましたが、それを行った後に筋力チェックを行うと、弱くなるどころかやる前よりも強くなる。腕立てをやるとすれば、こうしたやり方で行わなければならない。
誰かがやった方がいいと言っているからとか、一流選手も腕立てをやっているからといって、ただ浅はかに腕立てをやる事実だけを真似ても、意味がない。浅はかに考えたものは、浅はかなものにしかならないのです。
少し長くなりましたが、鍛錬以外ではペアになって揺らしを三パタン。体を解し、体の使い方を学ぶ。
そんな感じでした。
ではまた。