スポーツをやっている小学三年生の女の子。両太ももの裏と表、両足首、両肩に痛みがある。鍼に行ってもよくならず、HPを探して来てくれました。
これを聞いただけでも練習のし過ぎだということがわかります。同時に練習の質も悪いから、色々痛みが出てくる。
話を聞けば4月からやり始め、8月から痛くなりだしたというので、わずか4、5か月で、これだけ体がおかしくなりました。また他の子供たちも故障を抱えているようで、明らかに練習メニューに問題がある。
「施術すれば楽にはなると思いますが、練習が原因なので、それを変えなければ直ぐ痛み出しますよ」と、練習に問題があることをよく説明しました。
痛みを取った所で、原因がある限りまた直ぐ元に戻るため、意味はないのです。
最初に足首を診ることにしましたが、「どういう風にしたら痛いの?」と聞くと、椅子に座ってても、立ってても痛いと言います。特に前側の辺りが痛いと言う。
重症だなと思いましたが、その反面それほど難しくなさそうでもあったので、仰向けになって貰い、1分ぐらいか足首を回したりなど、ちょこっと動かしました。
その後「立ってみて」と言うと、ちょこっと触っただけで痛みが無くなっていたので、本人もお母さんも驚いていました。
次は太もも。
裏も表も痛くても、この痛みを取ること自体は、それ程難しくありません。それよりも問題は、疲労により筋肉が異常に張っていることです。これをある程度のレベルまで張りを取り除くには、それなりの回数と時間がかかります。
まず施術する前にお母さんに筋肉を触って貰いました。
そうでないと、「あなたのお子さんは現在大変なことになっていますよ」といくら言っても、実感出来ないのです。
現状をよく理解すると、今まで何も知らなかったのが、「これは大変なことになっていぞ」とよくわかりますから、そこから真剣になって練習を見直したり、体を変えていこうと考えるようになります。
この張りを一回で張りを取り除くことは出来ませんが、それでも施術後に、もう一度お母さんに触って貰うと、お母さんでもわかるぐらい、柔らかくなっていました。
また痛みの方が簡単でしたので、裏も表も取れています。
今度は肩の施術に移りましたが、その前に体が酷く歪んでいるので、お母さんにこれも確認して貰いました。本当は見るからに歪んでいるのに、言われるまでは、意外と気が付かないものです。
ここからは、どう動かしたら肩が痛いかを聞いて、それを一つ一つ取っていきました。それと全身の張りを十分に取って行く。
それと「来た時の体の感覚を覚えているかい。終わった後に変わるから、それを覚えておくんだよ」とも言っておきました。
こういうことも言っておかないと、全部よくしてしまうと、中にはあたかも最初からそんな体であったと勘違いしてしまいます。
一通り張りを取り除いてから、お母さんにまた歪みを確認して貰うと、驚くぐらいにまっすぐになっている。
最後に施術が終わってから「どうだい?」と聞くと、痛みが取れ体が軽くなって嬉しくなったのか、ピョンピョン飛び跳ねるような動作をしていました。
スポーツ障害症例