羽生結弦の体の作り方

最近オリンピックは殆ど見れていませんでしたが、羽生結弦選手は凄いですねぇ。

一見すると体は細く、アスリートにも見えませんが、怪我して金メダルの連覇は本物です。

宇野昌磨選手は独特のキャラですが、オリンピックでは極端な言い方をすれば、一発屋のように、運よく高いパフォーマンスを発揮する事が出来たり、ショートトラックで皆転倒したなどのようなことが起きて、金メダルを取れることもある。

(と言っても、もちろん決勝に残れるほどの実力があっての話です。)

しかし連覇となると、注目を集め、国の期待を背負うなどのプレッシャーを抱えるために、注目されていない時よりも、勝つことがより難しくなる。だから連覇って難しいのですね。

また怪我を克服するためには、メンタルの強さと、頭の良さが必要とされますが、それもクリアしているので、羽生結弦選手は本当に凄いです。

 

羽生結弦選手は、体が非常に細く、柔らかさがあるのが特徴ですが、この体作りもかなり今までの常識とは変わってきた。

男女で少し違いますが、伊東みどりさんの時代とは大きく変わりましたね。

itoumidori

羽生結弦選手の体が、どうしてそうなのかというと、まずバーベルやダンベルを使ったトレーニングは一切していないことが挙げられる。

ウエイトトレーニングは、どうしてもウエイトを扱う為の筋肉が付きやすく、ウエイトトレーニングの成果が、純度100%で競技に生かされるものではありません。

競技とは関係の無い筋肉が付くこともあり、また体のバランスを崩してしまう事もあります。

 

筋肉は付けばいいものと思う人いるかもしれませんが、例えば水泳では、筋肉が付いてしまうと、沈む様になってしまう為、筋力は付けても、筋量は増やし過ぎないようにするなどの工夫が必要なのです。

フィギュアスケートにおいても、最近では4回転ジャンプが当たり前の時代になりましたが、オリンピッククラスでは、4回転を跳ぶことは誰でも出来ても、難しいのは着地です。

着地を成功させるためには、高いバランスコントロールが必要となる。

それと体が重いと、着地の負担が大きくなり、またその分バランスを取る事も難しくなるため、体重は軽い方が有利なのです。

そのためバーベルやダンベルを使ったトレーニングは一切行わず、その代わり、体幹トレーニングやバレエ、ヒップホップダンスを取り入れている。

そうしたことから考えると、羽生結弦選手のあの細い体は、単純に体質だけの問題ではなく、最新型の体とも言えるのです。
barbell

 

体幹トレーニングと言うと、今では殆どのアスリートがやっていますが、体幹トレーニングを行っているからと言って、羽生結弦選手のようになれるかと言われれば、まずなれないでしょう。

何故なら、体幹トレーニングと言っても、行っていることは、似て非なる全くの別物だからです。

 

体幹トレーニングは、筋トレとは違うものだと思っている人がいますが、体を使う以上、どこかの筋肉は使う。

少なくとも回数や量をこなせば、どこかが疲れるでしょう。そうであるなら筋肉を使って筋肉疲労を起こしているのだから、筋肉を鍛えているのです。

そうでないとすれば、氣のトレーニングでもしているのでしょうか?

「どこですか?」

と聞くと、

「体幹です」

といった、禅問答のような答えが返ってくることが多いですが、「体幹」と漠然と考えるのではなく、より具体的に考えて行く必要があり、もし子供に体幹トレーニングをやらせているとすれば、一体どこの筋肉を鍛えているのか、それをよく考えて頂きたい。

 

腹直筋なのか、外腹斜筋、内腹斜筋なのか、腹横筋なのか。

じゃあ、そうだとして、今までの腹筋とは一体何が違うのか?

そうしたことをよく考えた上で取り組まないと、「体幹トレーニング」という名前だけが同じで、中身は全然違い、結果も天と地ほどに変わる。

 

一応私の考え、指導方法を言いますと、私は子供に一般的に体幹トレーニングとよばれているようなものは、基本的にやらせません。

羽生結弦選手的に言えば、バレエやヒップホップに当たるものを、違う方法で教えている。

またそうしたものが、本当の体幹トレーニングとも言える訳です。

 

体幹トレーニングに関して、もっとはっきり言えば、腹直筋や腹斜筋など、一般人でも使える筋肉は重要ではなく、一般人が使えない大腰筋が重要で、羽生結弦選手は大腰筋の使い方が上手いためにパフォーマンスが高い。

またジャンプの着氷が柔らかいのは、大腰筋は膝まで連動しているため、大腰筋が使えているため膝が柔らかいのです。

しかし大腰筋は最近でこそ、名前は知られては来ましたが、目に見えないだけに未だ腹直筋ほど、認知度は高くはなく、大腰筋よりも自分が知っている腹直筋を鍛えたくなる。

また大腰筋をどうやって鍛えていいのかも分からない。

 

全日本の大会で優勝経験のある選手が、「ウエイトトレーニングはやっていませんが、大腰筋を鍛えています」と言っていましたが、私が見た限りでは、大腰筋を鍛えることが出来ていませんでした。

全日本クラスで、外国人コーチに付いているような選手でも、大腰筋が分からないことがあるぐらいなので、一般の人には無理と言えば、無理でしょう。

私にしても、大腰筋が分かるまでに相当苦労しました。

 

セミナーではその秘伝とも呼べるものを教えたりもしますが、一般の人でも出来る方法を紹介すれば、まず訳分かんない、またよく分かっていない、本で読んだレベルの体幹トレーニングみたいな余計なことはやらないこと。

子供は大腰筋を元々使っているのですが、大腰筋を使えない大人が教えるものだから、段々使えなくなっていくのです。

それと、もしトレーニング的なことをやりたいのであれば、バランスボールやバランスディスクなど、バランス系のトレーニングを遊び感覚で行う。

スポーツではかなり取り入れられて、効果も出ています。

これであるなら、専門的な知識はさほど必要ないので、誰でも出来ると思います。

 

しかし小学生でも、間違った練習や筋トレなどで、一度大腰筋の使い方を失った体、間違った体の使い方が身に付いてしまった場合は、それをリセットさせるには相当な努力がいるので、

もし本当の意味での高いパフォーマンスを目指すのであれば、筋トレや体幹トレーニングは、十分気を付けて取り組むことをお勧めします。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>