イチローを一流に育てた父 16

中学時代の監督は、イチローを一度も褒めたことがない。

「ほめようと思ったら、いくらでもほめる機会はありましたよ。イチローのことですからね。毎日でもほめる材料はありました。でも、イチローはかならずそれをやりとげてしまう。ではイチローは、いったいどこまでやれるのか、わたしはそれだけイチローに関心を抱いていたんです・・・・」

イチローとわが家本当の話 鈴木宣之著 家の光協会 141項

 

これはイチローにも残っていて、

「橋本監督は一度も褒めてくれたことはなかった。でも、先生は悔しさをバネにして培う根性を教えてくれた」

と言っています。

褒めることも重要ですが、褒められることによって、それで満足してしまうことがある。

高校の時の監督は、人を立てる方で、けなすようなことはしない人で、上手いことバランスが取れたようにも思うのですが、イチローは褒められなかったことによって、小さいことに満足することなく、成長し続けることが出来たのではないでしょうか。

 

またお父さんも、

「これからもイチローが現役でいるうちは、どんなに成績がよくてもほめないでください。ほめてはいけないんですよ、先生。お願いですから、ほめないで、いつまでも厳しく接してやってください」

とお願いしたそうです。

特に成績がよくなったり、有名になったりしてからちやほやされ、それによってダメになってしまった選手は、数多くいます。

だからこれは有名になる前の心構えとして、持っておきたいものです。

 

また子供が褒められることは、親が褒められることにもなるので、親は子供を褒めて貰いたい。

しかしそれが行き過ぎてしまうと、子供の為ではなく、いつの間にか親の為になってしまう。

そうならないために、親は日頃からストレスを溜めこまない事です。

親がストレスを抱えていると、子供が何か言われると、別に何でもないことでも、自分が責められているような感じがして、それを止めさせようとしてしまう。

子供のことを思いつつも、出来るだけニュートラル状態となって、客観的に見る。

「子供を褒めないで下さい」ぐらいの余裕があれば、子育ても上手くいくんじゃないでしょうか。

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