知り合いでネイルのスクールに行って、そこで開業を勧められてやってみたけど、全然お客さんが来なくて、失敗したという人がいます。
話を聞くとお客さんに喜んで貰おうと、お茶を出したりだのなんだと考えたりやっていて、人がいいというか、そういう人が成功できないというのは、かわいそうになる。
ただ店舗を構えたり、ローンを組んで高額な機械を購入したりして、借金地獄になったのではないから、失敗と言ってもまだいい方でしょう。
また笑ったら怒られるかもしれないですけど、宣伝をほとんどしないで、お家でぽつんと待っているものだから、それでは失敗して当然で、お客さんが来る訳がない。
そういうことは、そこのスクールでは全く教えてくれなかったようです。
残念ながら商売というのは、いい人は成功しにくい所がある。
なぜなら商売は、出し抜かんきゃいけないからです。
他の所が皆1000円で売っているのなら、自分の所だけ500円で売る。また逆に5000円で売って、商品に付加価値を付ける、また自分の所が他より目立つようにするなど、悪く言えば出し抜くのです。
それがいい人だと、そう言う事が出来ないから成功しない。
逆に性格の悪い人や目立ちたがり屋の人は、そういうことしか考えないから、上手く行きやすかったりする。
例えば健康で安全な食べ物を食べさせたいと思って、無農薬、無添加、手作りしたものをただ出しても、値段も高くなるため客は来ない。むしろ「こんな高いもの誰が買うか!」と、唾を吐かれる。
それよりも「添加物を使って健康を害したりしないのだろうか」などとは考えず、法律が大丈夫だと言っているのだから、その範囲内で、ジャンジャンバリバリに添加物を使った方が、安くておいしいと皆から喜ばれ感謝され、多くの人に買って貰える。
主婦を救う救世主にもなれる。
また夜中や朝方に放送される、ダイエット器具などを売る通信販売のテレビでも、性格がいい人には売れない。
例えばかっこいい外国人のモデルが、ダイエット器具を使っていたりしますが、彼らはプロのモデルで、常日頃、食事制限とウエイトトレーニングを怠りません。
つまりそれらがあって、あの体になるのであって、通販グッズのおかげではない。
それをあたかもそのダイエット器具を使った結果、そうなったかのように思わせる演出をするのですから、ちょっとした詐欺みたいなものですが、性格のいい人には、そんなことは思いつかないのです。
性格のいい人が思いつくことと言えば、太った主婦にでも使わせてみるという、バカ真面目、バカ正直なやり方になるのではないでしょうか?
また最近では少し傾向が変わって、外国人モデルではなく、一般人を使うようになっているのかもしれませんが、ダイエット器具を購入しても、殆どの人は痩せることなく、ゴミになるのだから、環境にも悪く、お金も無駄にする全く意味の無いことをやっている。
だから「こう言う事はもう止めて、まずは食事に問題がありますから、それを少しずつ変えていきましょう」などと訴えかけることの方が大事な訳です。
しかしそれでは1円にもならないので、性格の悪い人が、ちょっとした悪魔になり、相手の弱みに付け込むことによって、お金を稼ぐことが出来る。
これが商売。
ちょっと恐ろしい。笑
ただ世の中はこういう仕組みになっていることを理解する事と、物を売ったりしていない人でも、弱みに付け込んだものを買うのだから、同じようなものです。
ここが人間の弱さであり、また人間らしさでもある。
もちろん性格のいい人が、性格悪くなれということではなく、お客さんがもっとよくなる、もっと喜んでもらうには、どうしたらいいかを考え続けていれば上手く行く。
それをやめて横道にそれてしまうとダメだし、性格がいいままでいるだけでも、今の世の中の人には受け入れられない。