「感謝をしなさい」とはよく言われることです。と言っても最近は余り言われないのかもしれませんが、スポーツなんかではよく言われています。
しかしこれはマナーだからだとか、礼儀だとかといった解釈がされがちですが、そういった形式的なことではなくて、感謝をすれば結局自分が得することになり、反対に感謝が出来なければ、自分が損してしまう事になる。だから感謝しなさい、ということです。
スポーツ選手であれば、指導を受けた時に感謝の気持ちがあれば、それを有難いと思って一生懸命練習に取り組むはずです。反対に感謝の気持ちがなければ、いい加減な気持ちになるでしょう。
スポーツのハードなトレーニングを続けていくこと、モチベーションを維持していくことは、とても大変なことで、これを自分のためだけに行おうとすれば、中々頑張ることが出来ません。どうしても手を抜いたり、甘い考えが生まれたり、弱気になったりすることも出てきます。
しかし感謝の気持ちを持って、今まで支えてくれた親に恩返しをする、周りの応援に絶対に答えるんだ、という気持ちであればどうでしょうか。
簡単に手を抜いたり、弱音を吐いたりすることも出来ませんし、不思議と自分以上の力を発揮出来る。
また普段当たり前のように行っている練習であっても、それを当たり前に考える選手と、そうではない選手とでは、一日の練習の取り組み方が必ず違ってくるし、選手に教える指導者にしても、感謝の出来る選手とそうではない選手とでは、無意識的にも感謝の出来る選手に、力を入れるものです。
もちろんこれは、スポーツをやっている人だけの話ではありません。
いつも側に当たり前にいる人には、感謝の気持ちも忘れたりしてしまいがちですが、いなくなってからその価値に気づいても取り返しはつきません。
健康であることが当たり前に思っていれば、次第に傲慢な考えになって、何をしてもいいような気がしてきます。またその考えで病気になった時に、「自分は何一つ悪いことはしていないのに、どうして自分だけが病気にならなければならないんだ」と、全く的外れな考えにもなってしまいます。
健康に感謝出来れば、病気にもならず、幸せにも過ごすことが出来るでしょう。
誰かにアドバイスや忠告をされた。
その時に「うるせー」、とまでは言わないかもしれませんが、言って貰えたことに対して感謝することは難しい。どうしても自分を守ろうとしてしまう。しかしその守ろうとする気持ちが、逆に自分を苦しめ続けることになってしまう。
言われたことを受け止め感謝し、そこから自分を変えていくことをすれば進化する。いつまでも変わらない人や成長しない人は、受け止めることが出来ない人。
感謝が出来れば、価値を感じてそれを大事にする。反対に感謝をしなければ、いつまでも価値のあるものを手にすることが出来ない。
「私には感謝するだけのものをして貰っていない」
と言う人もいるかもしれませんが、重要なのはごく当たり前のことに感謝が出来るかどうかなので、何をされたとか、されていないというのは、余り関係ありません。
身体に感謝するというのも、中々難しいです。
出来る所からやっていきましょう。