危険予測

武道の達人と呼ばれる人は、危険予測が凄い。時折飛行機事故が起こったりしますが、それにたまたま乗り合わせた人にとっては不運でしかありませんが、武道の達人は恐らく、事前に感じ取り事故を回避する。

例えば合気道を創った植芝盛平翁は、電車に乗る切符を買って、電車に乗り込もうとした所で、「やめた」と言って、電車に乗らなかったことがたびたびあったそうです。そのためお供の人は困ってしまったそうですが、恐らくそれはその先にある何かを感じ取っていたのです。

 

私もそこまでのことは出来ませんが、お店に行ったときに、店員からロックオンされることがわかる。笑 だからその場にいれば確実に売り込みに来られるのですが、もし回避したければ、話しかけられる前に未来が見えている訳なので、それを避けることも可能になる。

感覚的なものは、それを磨かなければならないので、今の人たちにとっては難しい所ですが、感覚的ではなくても、知識と経験を積みかねることによって、危険をあらかじめ予測し回避することが出来る。

まず基本中の基本は、全てのものに長所と短所、メリットとデメリットがあること、リスクがあることを知る事です。しかし自分に都合のいい事を考えてしまうから、いい所だけに囚われて、悪い面は臭いものに蓋をする様にしてしまう。

 

例えば副作用に熟知した医者に処方されるのと、そうでない医者が処方するのとでは、副作用に熟知した医者の方が信頼がおけるのではないでしょうか。

しかし患者側にすれば、医者は副作用に関して熟知していると思いたい、また薬はいいもので、副作用は眠くなる程度のもので、大したものではないと思いたい心理がある。

そう考えると楽だからです。そうするとリスクや危険を回避出来なくなっていく。病気を治すつもりで病院に行ったのが、薬でおかしくなってしまう事も、実際には起こっている訳です。

そうしたように自分の都合の悪いことは知りたくない心理があると、リスク回避は出来ない。

 

よく今の状態が良ければ、それがずっと続くものだと言う錯覚を起こしてしまいます。一発屋の芸人にしても、自分がまさか一発屋になるとは思わず、人気はこのまま続くのだという考えを持ってしまう。

人のことはよく分かるものですが、自分のことになるとそれが中々難しい。自分が今健康であれば、それがずっと続くと思うし、子供が勉強できるのであれば、偏差値の高い大学に進学し、いい所に就職するものだと考える。

しかし実は今がピークであることもあり得る訳です。現在がピークでないという事を、理論的に説明できる人がどれくらいいるかと言えば、それ程いないでしょう。

つまりただなんとなしに、これからも今の状態が続いていく、もしくはもっと言い風になっていく、と考えているのです。それで果たしてそれで危険予測、危険回避が出来るかと言えば、中々難しいのではないでしょうか。

 

例えば私は専門家であるので、一般の人よりは知識と経験がある。その私から見て、スポーツで無理して来た子供などは、その時点でピークになってしまっているので、将来性はそれ程ないだろうという、予測を付ける。

しかし親や本人に、それを言った所で信じません。それよりもこれからもっと伸び続けることの方を信じたいからです。

 

例えば顔色がどす黒い人がいる。

体調が悪ければ顔色が悪くなるように、顔は体調を表すバロメーターでもあります。また健康で元気な年配の方は、皆肌ツヤがいいし、逆に80、90でどす黒い顔色をした年配の方は、余り見ない。

つまりそこから考えると、どす黒い顔色の人は長生きできない可能性が高いことが分かる。実際そういう人は、内臓が相当悪くなっているでしょう。

(女性で顔にシミが出来たからと、エステに一生懸命通う人がいますが、内臓に問題が起きたことが原因ですからね。)

しかし悪いものも慣れてしまえば気にならなくなるように、顔色がどす黒い所まで行った人は、食生活や生活習慣を直そうとする所までには中々至らない。

 

危険を予測するには、まず前提として危険を予測したいかどうかです。

危険を予測したくない人には予測は出来ない。と言ってもいくら自分は予測したいと思っていても、実際にはスポーツの例などの様に、本当は予測したくないと思っていれば、危険を事前に予測することは出来ない。

危険を予測したいのであれば、まずそれを受け入れること。その受け入れ態勢があって、初めて危険の情報が入ってくる。

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