桐生祥秀が9秒台を出せた訳

 

日本人初の9秒台をようやく出してくれたのが、桐生祥秀選手です。

しか実は9秒台を出せたのは、去年の11月にハンマー投げの室伏宏治さんに弟子入りし、指導を受けていた成果でした。恐らくそれがなければダメだったでしょう。

室伏宏治さんから指導を受けたと言うと、一般的には何のことは無く、簡単なことの様にも思えてしまいますが、簡単なことではありません。

凄いことなのです。

 

 

「このままじゃダメだ!」

「自分を変えなければいけない!」

「体を根本的に作り直そう!」

そういったことを考えられたから、指導を受けることが出来たのであって、皆が皆出来ることではありません。出来るのであれば、他の陸上選手は皆やるはずで、むしろ出来る人は殆どいない。

 

プロアスリートを目指すにしても、「このままじゃダメだ」なんて誰も思わない。むしろ「このまま行けば行ける!」と思う。

本当にそうであるなら、問題ありませんが、そういうケースの方が少ない。

桐生選手の様に自分を否定することが出来ないのです。

厳密に言えば、否定をすると言っても、否定の上の肯定のような感じで、このままではダメだけど、これを変えれば道が開けるかもしれない、と言う感じで、肯定なんです。

しかし最初の否定、現実を認めること、受け入れることが、自分の存在価値全てが否定されてしまうような感じがして難しい。

これが簡単に出来たら、人生楽なんでしょうけどね。

逆に上手くやっている人などは、その否定を余り否定と捉えずに、素直に受け入れていたりする。

 

武道では自分を完全否定するという教えがありますが、体の使い方など、自分を肯定していては、いつまで経っても達人のような体の使い方は分かりません。

これは武道以外のことでも言えることで、今の自分を否定することによって、見てくるものがある。

また参考すべきは自分の考えではなく、一流などの考えや自然の法則です。

「絶対こうだと思う!」、「これしか方法ない」と、どんなに自信があったとしても、自分がそう考えたに過ぎず、それが真実で正しいという保証はどこにもない。

だから一流とか天才とか、自然の法則と照らし合わせて考える。

 

それで合っていたりすると、沖ヨガの沖正弘先生が言っていたように、

「俺が言っているのではない。そうだから そうなのだ。」

となる。

 

それにしてもスポーツは、どんどん昔の武術的なトレーニング法になって来ています。

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