来るものは拒み、去る者は突き放せ

やりたいことと言っても、社会と世間に惑わされて、自分が何をやりたいのかすらも分からなかったりする。また過去に囚われ前に進めない事もある。

そんな時どうするか。

よく去る者は追わず、来るものは拒まずと言われますが、昔のある整体の名人は、「来る者は拒み、去る者は突き放せ」と言われていました。しかし整体に限らず、昔の日本では、そういった感じであったでしょう。

それを行うことで本人の意思を確かめ、確認させていた。また去っていく場合は、時には引け目を感じたりして前に進めないことがある。そうならないように突き放すのです。

 

分かりやすい例で言えば、Dr.くれはが、チョッパーを突き放したようなものです。(ワンピースね。笑)

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将棋の世界でもプロになるための奨励会があって、それには年齢制限がある。それはいつまでも将棋の世界に拘らず、違う方面に才能を発揮せよということです。

また将棋界には、昔から師匠が弟子と将棋を指すのは、入門の時とやめる時の二回と言う慣習があって、やめる時にはわざと負けて、

「将棋の腕はこんなに上達したのだから、他の世界でも十分に活躍できる」と引導を渡したこともあったそうです。

 

スポーツの世界でも、よく諦めるなとは言いますが、いい意味での諦めも必要で、プロを目指してダメだったのであれば、パッと諦めて、違う世界に進む必要もある。

毎年年末にやっているプロ野球戦力外通告がありますが、ああいう人がもう一年頑張ってみるというのならまだ分かりますが、そういうことでもないのなら、いい意味での諦めを持って、その経験を生かして次の道に進む。

ただスポーツであれば、肉体的なものがあるからまだいいですが、お笑いの世界のように、売れるまでに何年もかかるような世界、年齢制限も余りない世界では、どこでふんぎりを付けたらいいのかが、非常に難しい。

もしかしたらもう少しやったら、売れるかもしれない。しかしいつまでもバイト生活をしている訳にも行かないなど、様々な葛藤があって、一体何が正解なのも分からない。

あの人たちは本当に大変だと思います。

 

プロアスリートや有名人を目指している訳ではないから、私には関係ないなと思うかもしれませんが、むしろそういったものが何もない人の方が、だらだらと踏ん切りをつけることが出来ず、やり続けてしまうかもしれません。

「茹でガエルの法則」で、「カエルを熱い鍋に入れると飛び出すが、水の状態からカエルを入れ、そこから徐々に温めていくと、飛び出すタイミングを失い死んでしまう」というように、抜け出すタイミング、切り替えるタイミングを失いやすい。

合気道の技は、腕ヂカラを使って投げるのではなく、一つは角度や向きを変えることによって崩すのですが、初心者の場合はそれが出来ず、ただダラダラと同じ方向に歩いたりしてしまう。

 

サッカーにしろ、バスケットボールにしろ、ダラダラ走り回っていれば、ディフェンスはずっとついて来て、何もすることが出来ない。

そんなことをするのなら、立ち止まっていた方がいい。

マイケルジョーダンが、大学の試合で逆転シュートを決めたことで有名になりましたが、その時もダラダラ動かずその場で立っていたことでフリーとなっていて、シュートを決めた。

ダラダラ走るのは、無駄に体力を消耗したり、自分で態々スペースを潰してしまう。

そうではなく急激にストップしたり、0の状態から急激にダッシュしたり、90度方向転換したりといったことをすると、ディフェンスはそれに付いて行くことが出来なくなるのです。

合気道の技もそれのように、腕ヂカラを使うのではなく、角度や向きを変えることの力によって、相手を崩す。

 

これは何も合気道やサッカーだけでなく、人生においても同じことで、それを人生でも行う事が難しい。

そもそも自分が今どういう状態なのかも分からなかったりする。水から温められている状態なのかもしれない。

また「やべっ!これ温度上がって来ているぞ!」と気づいても、どうしていいかも分からないかもしれない。

特に今の時代は誰も引導を渡してはくれないので、自分でどうにかしなければならないでしょう。

 

スポーツにしても、子供がプロを目指しているというと、嫌われたくないから、「そうか。頑張ればプロになれるかもしれないね」とか、「頑張ればプロになれるぞ」みたいな適当なことを言う。

逆に「プロ?そんなの無理だね」というようなことを言ってくる人を、ドリームキラーと言ったりもしますが、しかし無理と言う人も、なれるという人も、表現が違うだけで、どちらも大して変わりはない。

引導と言うと大げさかもしれませんが、叱ってくれる人、教えてくれる人がいないということです。

 

自分一人の力で変えることが出来ないのであれば、何らかのきっかけを使って、それを上手く利用する。

茹でガエルにならないように。

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