NHKのクローズアップ現代で、免疫チェックポイント阻害剤についてやっていたので見ていました。免疫チェックポイント阻害剤は、がん治療で今注目を浴びている新免疫療法。
がん治療の一つに、免疫機能の攻撃力を高める免疫療法がありますが、最近がん細胞が、免疫のはたらきにブレーキをかけて、免疫細胞の攻撃を阻止していることがわかってきました。
そのため、がん細胞によるブレーキを解除することで、免疫細胞の働きを活発にし、がん細胞を攻撃できるようにするのが、免疫チェックポイント阻害剤です。
このブレーキとなるものを偶然発見したのが、京都大学医学部客員教授の本庶佑さん。
しかし、これはがんの治療に応用できるはずだと、企業に話を持ちかけても、相手にされなかったそうです。がんの専門家のほとんどは、免疫療法は眉唾ものだと考えていたからです。
そのためアメリカのベンチャー企業に話を持ちかけたことから、次第に世界から注目されるようになっていきました。
現在のがん治療は、手術、放射線、抗がん剤ですが、免疫チェックポイント阻害療法は、もしかしたらそれに加わる新たな療法になるかもしれません。
しかし、私が注目したのはそこではないのです。
注目したのは、本庶さんが企業に話を持ちかけて相手にされなかったこと。つまり企業が、免疫療法はがんには効かないと考えていたことです。
近藤誠氏も「免疫療法に近づくな」と言う本を出していましたが、企業が効かないと考えている治療法を行うことはどうなんでしょうか。
免疫療法を勧めているホームページには、素晴らしいことが書かれていたりするので、それだけを見ていると、「これにかけてみよう!」という気にさせられますが、色々な角度から見てみるのもいいと思います。