目の付け所で差がつく

一般的には、基本というのは簡単なものだと、思われているのかもしれません。しかし本当は基本が一番難しい。

武道でも基本が一番大事なものであるので、最初に基本を習います。

しかし習ったと言っても出来るものではないので、それが出来るようになるために、何年も色々と修行したりして、最終的にまた基本に戻ってくる。基本に始まり基本に終わると言うのは、そういうことです。

 

それを手順を覚えると、基本が出来たような気になってしまう。基本の中身や本来の意味は大変難しく、分かりにくいので、見えないものや分からないものは、存在しないものになるのです。

また何年も修行したからと言って、基本が分かるようになる、出来るようになるとも限らず、むしろ出来ない事の方が多い。達人と呼ばれる人がほとんどいないのも、基本が出来ていないからなのでしょう。

 

世の中には中身や内面より、形や外見重視の人もいますが、そういう人も世の中には必要なので、外見が重視という人がいたっていいと思います。

しかし、プロになるなど高い目標を達成するためには、目に見える形に拘っている、囚われていては、高い成果を上げられないので、形じゃないもの、目に目ないものがわかるかどうかがカギとなります。

 

ボールが真っ直ぐ飛んだ、試合に勝った負けた、本を出している、テレビに出ている、東大に出ている、医者だ、高そうな車に乗っている、そう言ったことは誰にでも分かるので、差がつく所は、そうではない所に着目できるかどうかです。

「目の付け所が違う」とよく言うように、出来るだけ目に見えない所、見た目に現れない所を見る癖をつける。

 

以前セミナーで、手品のタネを見破るコツを説明したことがありました。

こういうのは分かった人だけが胸に秘めておいて、教えない方がいいとも思うのですが、必ずマジシャンは、トリックを使う時に、注目を集めるような動作を行います。

その時にほぼ間違いなくトリックが行われていて、そこではない別な所に注目すると、何か不自然な動作をしていたりするので、それで分かったりする。

マジシャンは1つのことに注目すると、他のことが見えなくなる心理を応用しているのです。

 

目に見える形や何かのこだわりなど、一つのことに注意が行くと、視野も狭くなるし、情報も得られなくなるし、勘違いすることにもなる。

見る力を付けるためには、見える所や分かりやすい所に囚われないこと、また囚われや、こだわりを捨てることです。

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