西洋医学的思考からの脱却

西洋医学では、痛みがあれば、それを悪いものだと考え、薬などを使い、それを取り除きます。またそれが治ったと考える。

こういった考えが、今の日本人に根付いてしまっています。

もちろん西洋医学が100%悪いとか、薬が絶対にダメだとかと言っているのではありませんが、その考えだけしか持てなければ、根本的な問題を解決することが出来なくなるため、違う考えも合わせて持つ必要がある。

 

例えばスポーツ障害であれば、医者による個人差はあるものの、レントゲンを撮るなど、悪い所を調べて、そこをどうにかしようとします。

骨折をしていることもありますから、当然そうしたことも必要です。

しかしどうして痛くなったのか、その原因を考えると、練習の仕方だったり、トレーニングのやり方だったり、フォームや体の使い方だったり、ストレスだったりと、なんらかの原因があり、それを変えない事には、いくら何かをしても、穴の開いたバケツに水を入れるようなものです。

またこれを変えずに痛みだけを取ろうとしていると、酷い場合には小学生で怪我をして、中学生では手術をするなど、スポーツ自体辞めざるを得なくなったりもする。

 

それと同じように、病気になったのなら、なったなりの原因があり、それを治すことなく、薬などの治療だけで、治そうとしても、本当の所は治りません。

最近では飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足が病気の原因になると知られるようにはなりましたが、それでも薬を飲めば治る、薬を飲んでよくなった、治ったと考えられています。

また食べ過ぎで糖尿病になったり、飲み過ぎで肝臓を悪くしたりすることがありますが、そうした場合は、食べ過ぎはよくないとか、飲み過ぎはよくなかったと、考えたりするものの、他の病気になってくると、余りそうしたことは考えません。

病院自体でも、薬を出さず、薬以外の指導による治療では、お金を儲けることが出来ず、時間もかかることから、どうしても薬に頼ることになり、そうした治療を受けていれば、それが当たり前の様に思うようになる。

 

こうした考えは、他の全てのことにも通じることで、例えば子育てで言えば、子供が何か悪さをすれば、それが悪いと、それに対し怒ったりしますが、それは単なる対処療法で、原因別にあります。

つまりその悪さを叱った所で、原因は他にあるため、根本的な解決にはならないのです。原因を変えなければ、その悪さ自体はやらなくなっても、今度は形を変えて、違う悪さをする様になります。

例えば子供が誰かをいじめたのであれば、その行為を叱ったりしますが、もしかしたら親が子供をいじめていたことが、原因になっていたかもしれません。

子供が嘘をついたとすれば、親が子供によく嘘を付いていて、それを真似たのか、また何らかの圧力があるため、それを逃れようとしてついてしまった、嘘かもしれません。

そうしたことを考えず、目に見える結果だけを見て、それをどうこうしても、モグラ叩きのように、叩いても叩いてもピョコピョコ出て来て、その内どうしたらいいのかわからなくなる。

病気にしても、薬で痛みを封じ込めるなど、表面的な治療だけでは、今度は形を変えて、いずれ違う病気になって現われ、次第にそれが大きな病気に発展したりもする。

 

ただ難しいのは、結果だけを見ることは誰でも出来ますが、その原因を見つけることは、簡単ではありません。また原因を見つけられたとしても、それを変えることも、簡単ではありません。

自分を変えなければならないためです。

運動不足の人が、「運動不足ですね」と言われても、余程のことが無い限り、本気になって変えようとはしません。

自分を変える、今までの自分を捨てるというのは、大変なことなので、それよりも、テレビを見ながらせんべいを頬張るように、薬を飲むなどする方が、余程楽です。

だから楽な道に進む。

 

食事と運動でダイエットできなければ、新しいダイエット法が出る度に、それに手を出す。

病気治しでも、ドクターショッピングという言葉があり、線引きが難しい所ではありますが、自分を変えることが出来ない人は、相手を変えて、自分に合うものを探そうとする。

しかしダイエットと同じで、自分を変えない限りは、いくら相手に求めようとも、結局はいい医者など、見つけることは出来ません。

 

また枕を10個も20個も、とっかえひっかえする人がいます。

これも全く同じことで、確かに自分に合う枕を使うべきですが、ある程度の範囲であれば、自分の体で調整が出来るので、何とかなります。

しかし自分の体がコチコチになったりしていれば、たとえ首のカーブを計測して枕を作ったとしても、どんな枕も合わないのです。

体の問題を取った上で、自分に合った枕を使うと、それが本当にあった枕になる。

 

イチローがバッドを大事に使っていますが、イチローはそのバッドを最大限使える様、自分を変えている。

しかし自分を変えることなく、バッドをいくら新しいものに変えようが、下手な人は下手なままです。

よくあるのがゴルフをやっているおじさんが、毎年のようにパターやドライバーなど、それを買えば上手くなると、夢を持って買い換えますが、問題は自分自身にあるため、道具を変えようとも上手くならない。

それはその人の過去の歴史が証明している。

 

これらのように西洋医学的思考だけでは、上手く行きません。

しかし、今の世の中主流が西洋医学的思考になっているので、多くの人はそれに従い、その考えに流されています。

もちろん繰り返しになりますが、西洋医学がダメな訳ではなく、緊急事態には必要になりますし、他の考えも合わせて持つ必要があると提案している訳です。
 

楽な道は、楽であるから誰でも進めますが、ただ楽な道を進むことは、その時は楽でも、後々自分自身を苦しめることになることもあります。

急に180度変えるとか、完璧を目指すころなどは難しいので、結果や形に惑わされず、少しずつ「この原因って何なのだろうか?」と考えてみると、いいと思います。

それを続けていれば、いずれその答えが見つかります。

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