もう一つ、非常に面白かったのが、利き手と反対の手でも同じワークを行い、その後、利き手でない左手で投げて貰ったのですが、そっちの方が、周りの人も、また本人も驚くぐらいに、上手く投げることが出来ている。
もちろん普段、左で練習をしている訳ではありません。
何故こうしたことが起こるかと言うと、右は今まで部活の先生や先輩に習ったり、また我流の練習を行ってきたことにより、癖が身についてしまったため、茶碗が空でない様に、教えたことの全てが入らず、また出てこない。
それに対し、左は誰からも習っていないので、癖がなく、空っぽの状態であるため、教えたことそのものが出てくるためです。
フォームを修正されれば、余計に悪くなると言うのは、こういうことです。
こうしたことは、文章を読んでも何でもありませんが、実際に体験すると、今まで一生懸命努力して来た人程、相当なショックを受けます。
この方の場合は、何年も通って色々勉強してきたので、笑い話で済みますが、そうでない人が、こうした経験をすると、「今までの努力は、一体何だったのだろうか」と、相当なショックを受ける。
そういうこともあるので、余り教えない様にはしていますが、少しずつ勉強して、間違っていたことに気づくようになって行くと、いかに正しいことを習うことが重要であるかがわかってくる。
特に最初が肝心です。
最初に習うことはどんなものであれ、潜在意識にスッと入っていきます。
それがもし間違ったものだとすれば、それを変えることは容易ではなく、またフォームをいじられれば、いじられる程、至る所に問題、癖が付き複雑化する。
そうなった場合それを取るには、腰痛など慢性痛の人の症状を取るように、一つ一つ問題を解消させていかなければならないので、時間も酷くかかるし、一般的にはそうなった時には、変えることはほぼ無理です。
最初に正しい指導を受けることが重要