もちろん腰は動くと思います。動かなければ入院していますからね。

そう言えば、余り詳しくは聞きませんでしたが、セミナーに来た人のお父さんが、動けなくなってヘルニアで入院したと言っていました。

病院で何をしているのかと言うと、寝ているだけだとか。それで文句も言われず、お金が貰えるのだからいいですね。

また仮に手術をして痛みが取れなくても、「手術は成功した」と言えばいい訳です。

 

それはともかく、今は多くの人が腰が動かなくなっています。

つまり「どっこいしょ」と居座って動けない状態。これを武道などでは、居ついていると言います。居ついていると斬られてしまう。

しかし本人としては、動けない自覚がありません。何故なら腰が動けなくても、何でも出来てしまうからです。

テレビを見たければ、リモコンでピッ！

暑ければリモコンでピッ！

もちろんお風呂に入ったり、スーパーを歩いたりはするので、100％完全に動いていないという訳でもありませんが、それでも基本的にどこか移動するのも、車に座っていていれば移動できるし、仕事も力仕事でもしていなければ、椅子に座って出来てしまうので、腰を動かさない訳です。

少し細かく言えば、立ったり歩いたりする時でも、腰が抜けていたりもする。

 

腰を動かさない事に慣れるとどうなるかというと、自分は動かなくても、また何もしなくてもいいんだというのが、潜在意識に染み込んでしまいます。

例えるなら雛鳥の様に、口を開けて鳴いてさえいれば、餌を運んで貰えるような錯覚をするようになってしまう。

それでもし何かして貰えない時には、「自分はこんなにしているのに、どうしてあの人はしてくれないんだ」と思うようになります。

意識としては、自分は一生懸命頑張っている。

しかしそれは頑張り方が間違っていて、腰の位置を動かして、自分で餌を取りに行かなければならないのです。

 

仕事でも買い物でも恋愛でも、対人で何かやり取りなどする場合、自分が何か相手からして貰うためには、それに見合うだけのものを相手に提供しなければ、中々しては貰えません。

それに見合うだけの金額、情報、笑顔、いつも笑わしてくれる、お願いする態度など、何でもいいですが、余程のお人よしの人でなければ、何かしてくれ、これくれ、あれしてくれとただ言った所で、何もしてくれないでしょう。

もし今自分の思うことが上手く行っていないとすれば、腰が動かなくなって、居ついた心と体になっているからなのかもしれません。

 

重要なことは、普段であればそれなりに生活で来ているのでいいと思いますが、腰が動かない、重くなっていると、何かあった時に、パッと動けない事です。

何かチャンスがあったとしても、居座ることに慣れてしまって、「次回にしよう」などと考えてしまう。しかし次回なんてない。

次回のことなど考えていたら、チャンスなどものにすることは出来ない。

チャンスにパッと反応し、それをものにする。

逆にチャンスに反応する反射神経が鈍くなっていれば、チャンスは通り過ぎ、運よく気づくことが出来たとしても、腰が動かないから、指をくわえて眺めているだけになってしまう。

 

それと腰が動かず、チャンスを掴めない場合、それが掴めない分、変なものには手を出しやすくなってしまう。

口を開けている雛鳥には、餌を優しく運んであげれば、喜んで飲み込むのです。逆に居ついていない人の場合は、既にそこにはいないので、そこには反応しない。

居ついている人だけが、それに反応し、食いついてしまう。

 

武道の座り技でも稽古すれば、いかに腰が使えないのか、動かないのかがよく分かるのですが、今の便利な生活では、腰が動けない人でも不便なく生活できるようになっているので、腰が動かない事には気づきません。

そうするとチャンスにも気づかない。チャンスに気づかなければ、チャンスをものにも出来ない、なんてことにもなる。

そのため出来ることなら、武道などで腰の使い方などを練習するといいのですが、そういう訳にも行かないと思うので、まずは実は腰が動かなくなっている事を知り、リモコン的な体の使い方に慣れ過ぎないようにする。

また狩りをするかのように、自分自身が動く。

 

大きな夢を叶えるにしても、雛鳥生活に慣れているので、片手間の努力で夢が叶う、また片手間の努力で夢が叶わなければ、才能が無かったと考えますが、そんなはずはなく、自分の腰を動かし、全身全霊でもって取り組む姿勢がいる訳です。

もし大きな夢があって、現在一生懸命努力しているとすれば、それは雛鳥の様に一生懸命「私に餌くれ！餌くれ！」というような努力なのか、それとも自分の心や体が居つくことなく、全身全霊でもって取り組んでいるのかどうかを、自分に聞いてみて下さい。

全身全霊でもっての努力であれば、夢は叶います。

もし仮に叶わなかったとすれば、他に進むべき道があり、その道で成功するはずです。

 

私には夢など無いという人でも、一瞬一瞬を大事にする気持ちがあれば、腰を動かすことが出来ますから、チャンスがあればパッと反応し、行動することも出来ると思います。