仕事の関係上、スポーツをやって体を痛める小学生はよく見る。
それが全体でもそうなのか、その人たちぐらいの問題なのかというのは、具体的には分からないものの、それでも体を痛めている子供は割りとあると思う。
それで思うのですけどね、それって何のためにやっているんですかね?
スポーツが好きだから?
強くなりたいから?
プロやオリンピックを目指しているから?
誰だって怪我などしたい、させたいなどとは思ってはいないし、怪我をすることもある程度仕方がない所はあると思います。
しかし、たとえばスポーツが好きだからとして、怪我してもいいんですかね?
今はゲームするのが当たり前になっているのかもしれませんが、ちょっと前なら「目が悪くなるから、ファミコンやるな」、みたいに言われていました。
また健康のために30分までみたいな決まりごとがあった訳ですが、ファミコンで目が悪くのはダメだけど、スポーツで怪我をするのはいいんでしょうか。
もちろん怪我はさせたくないと考えているのでしょうけど、ファミコンに制限をつけるのであれば、スポーツだって健康のために制限を付けてもいいし、逆に制限つけなくてもいいんですか?
子供がお菓子を食べたいから、好きなだけ食べさせてあげる親は余りいませんが、スポーツであったら、好きなだけやらせてもいいものですか?
制限なしでファミコンやったら、目が悪くなる、また好きなだけお菓子を食べさせたら、健康を害するリスクが高まるように、スポーツも制限しなければ、怪我するリスクが高まることが考えられますが、それで怪我をしたと言うのであれば、仕方ないと思うのですがどうでしょう。
中には、「プロやオリンピックを目指して努力している。だから怪我をしても仕方ない」と考える人もいるかもしれません。
もちろん外傷などもあるし、もう一度言いますが、ある程度の所は、確かに仕方ないと思います。
しかしプロやオリンピック目指しているのであれば、尚のこと、怪我しているんだったら、その夢を叶えるのは無理ですよ。
やり方が間違っていますからね。
怪我したことをきっかけに、間違いを修正するとか、猛省して180度違う考えと練習に切り替えた、というのであれば、可能性はあるかもしれませんが、少なくてもその間違った努力の延長で、プロやオリンピックに行ける訳ないです。
また一度身に付いた間違った考え方や体の癖を抜くこと、パンパンに張った体を、元の柔らかい体に戻すことは、相当難しい。
大体の人はその延長で続けて行くでしょう。
しかしプロなどの世界は、自分のやり方や希望、要求を押し付け、それが通用するほど、甘くはない。
プロ側の世界からしたら、「あっ、そう?ではどうぞご自由になさって下さい」と、他にもっと好みのタイプが沢山いるので、その人が何を言おうとも考えようとも、関係ないのです。
その人はタイプじゃない。
プロがどうのといった話をすると、
「いや、プロは目指していないんです」
という人もいるかもしれません。
しかしプロを目指していない人が、もし怪我をして、歪みまくって、筋肉が凝り固まって、つまり健康を害しているとすれば、何か意味あるのでしょうか?
また何の目的で、スポーツをやっているのでしょうか?
確かに私も、学生時代に間違いまくった練習とトレーニングで、体がボロボロになり、それをきっかけに整体やスポーツトレーナーの道に進み、またそれがあったからこそ、色んなことが分かっていきました。
失敗した経験から学べる事は多い。
だからそれを狙うのもアリかもしれない。
でもそれをやりたいなら仕方ないですけど、私は勧めませんね。
出来ることなら、健康にすくすく育って欲しいと思っています。
結局、子供が怪我をすると言う場合、プロを目指しているでも、目指していないでも、本当の所は、一体何をやりたいのかが分かっていないことが多いのです。
スポーツがいいという、先入観や思い込み、また洗脳から、ちょっと考えれば分かる事が分からず、ただ世の中の流れに従っているような感じでしょう。
スポーツがいい何て言うのは、ただの幻想です。
もしスポーツが健康にいいと言うのなら、どうして大人がやらないんですか?
大人の方が不健康なのだから、むしろ子供以上に大人がスポーツをやるべきなのに、大抵の大人はスポーツをやろないし、健康番組でも一切スポーツをやれとは言わない。
確かに子供と大人とは体が違うことはありますが、スポーツは子供にはいいけど、大人には当てはまらない健康法?
何となくおかしいですね。
物事は、もっと広い視点から見て行かないと、よく分からないものです。
もちろんスポーツは素晴らしい。
スポーツが自分に合っていて、上手い取り組みが出来ている人であれば、スポーツはとてもいいと思います。
しかしスポーツだろうが何だろうが、それをやりさえすれば効果が保障されるものなど無く、全てはやり方、取り組み方によって決まる。
もし子供がスポーツをやっているなら、そういう事をもっとよく考えた方がいいです。内田前監督を批判しているどころじゃない。
スポーツをやって怪我しているなら、不健康なことに取り組んでいたということだし、コミュニケーションが取れなくなったりなどがあるなら、いいものを学んでいるのではなく、その逆かもしれません。
私はスポーツトレーナーをやっていますが、別に皆にスポーツを勧めようとは思っていません。吹奏楽部に入りたいなら、それもいいし、書道部でもなんでもいい。またそれがスポーツより劣っているなどとは、決して思わない。
しかしそういう風に言われれば、誰だって、スポーツだけが特別優れていて、他のものが劣っているとは考えないと思いますが、何となくスポーツは、他のものと比べて凄いもののように考えたりしてしまうのです。
だからスポーツは、やりたい人がやればいいだけのことで、それ以上でもそれ以下でもなく、スポーツをやっているからと言って、凄いとか凄くないとか、偉いとか偉くないとか何もない。
スポーツに限らず凄い人は凄いし、偉い人は偉い。
スポーツをやっていても、ダメな人はダメ。
またスポーツをやっている人の中でも、プロを目指したい人がいたり、スポーツから何かを学びたいと思っている人がいたり、レクリエーション的に楽しみたい、体を動かしたい、といった色んな目的があってもいいと思います。
だからスポーツにしても、それぞれの目的に合わせた取り組みをすればいい。
しかしなんだかんだ言って、勝利至上主義の所があって、またスポーツに対する思い込みから、現実が見えていないのが多いかなと感じています。
もし子供がスポーツに取り組んでいるなら、スポーツに対する取り組み方を、一度見つめ直してみる、客観的に俯瞰的に見てみる、方向性を確認してみるなどしてはいかがでしょうか。