埋没費用とも言います。
よく言われているのが映画の例で、1800円払って観たけど、つまらなかった。その時の取り戻すことの出来ないお金のことをサンクコストと言い、10分観てこれは完全につまらない映画だと分かった場合、それでも折角お金を払ったのだからと、見続けることが多い。
しかしそうすると、1800円のお金だけでなく、2時間と言う時間も失ってしまう。
特に一生懸命やってきたものほど、ここまでやってきたのだからと、引き返すこと、止めることが出来ず、間違いを続けてしまいがちです。
ギャンブルにはまってしまう人は、負けが込んで来た時、それを次で取り戻すぞと、ギャンブルから抜けられなくなる。
スポーツの練習にしても、普通の人がやっている練習は、間違っていたりする訳です。それに気づいた時に、それを切り替えられるか、捨てられるかで、パフォーマンスが大きく変わる。
子供をオリンピックに2回出場すると考えていた親がいて、わざわざ海外に行って、オリンピック強化コーチをするような外国人の所に、指導を受けにも行っていた。
そんな人が私の所を見つけて来た時に、私が教えた内容が、「外国人コーチと同じことを言っている」と言っていましたが、今までやってきたことを、柔らかくではありましたが否定したので、そう言っていたにも関わらず、指導を受けることにはなりませんでした。
その人にとっては、自分たちが考えて来た練習法のおかげで、全国大会に行けたという実績もあり、それを否定されてしまえば、自分たちのやってきたこと全てが否定されることになるのです。
しかし確かにその練習法のおかげで、全国大会に行けたのかもしれないけど、その方法は小学生の子供に全国大会に行かせる方法で、オリンピックに行かせる練習法とは、まるで違う。
事実オリンピックどころか、小学生がピークになってしまった。
小学生の頃はよかったけど、その後全然伸びなかったという選手はよく聞くと思います。
これもサンクコストに、縛られていたことが原因です。
親であれば子供のためにと、皆一生懸命子育てをされていると思います。
だけどそれがいいやり方でやっているとは限りません。だとすれば、もし違ういいものに出会った時には、それに切り替えることで、子供は当然よくなっていくし、自分にとってもいい結果になる。
その時にもしかしたら、自分のことが否定されたように感じるかもしれない。
だけどそれがいい方法であるなら、否定したのは方法についてを否定したのであって、一生懸命やってきたことを否定されたのではない、という風に考えれば、少し楽になると思います。
だから今度は、その一生懸命にやってきたものを、もっといい方法に使ってやる。
二重に失敗しない様に。