為末大さんが、「走る哲学」の「結果で判断すると出遅れる」で、こう書いている。
結果が出てからいえ、と言う人は、金メダルを取る前のボルトの言葉は信じず、出た後のボルトの言葉を信じる。”結果”が出る前の人から学べるかどうか。そして誰が”まだ普通”なのかをみぬけるかどうか。結果が出た人から学んでは遅い。
結果で判断する人は、過去の経歴で相手を判断する。そして何を言ったかよりも誰が言ったかを重視する。だから相手と自分を比べ、自分が優位だと思えば自分の意見は正しいと思い、優位ではないと思えば何も言わなくなる。肩書きや世間の評判で態度を変えてしまう。
何が本物で何が偽物か。結果が出たものにはみんな群がる。みんなが群がっているものが本物と思われる。大事なのは集団から離れて眺めること。まだ誰も気づいていない本物を見つければ、そこから得られる恩恵は大きい。
僕が思うのは、ぼくがメダルを取る前に僕のトレーニングを盗む人がいたら人よりも速く恩恵を受けただろうと。そして今どこかに未来のメダリストがいて、その人を見つけて教えを乞えば他人に抜きん出られる。今のメダリストに話を聞くのでは遅い。
一度も年下に教えを乞うた事がない人、売れてる本しか読んだ事がない人、みんなが大丈夫と言ったものにしか手を出さない人、皆がだめだといったものをだめだと思って来た人。こういう人は実力以前に情報戦で負けている可能性がある。