一点集中せよ 2

昨日の記事で続きからが見れなくなっていましたが、修正しました。

集中力については、今まで何度か説明したこともありましたが、陸上などのスタートでの集中力、野球のバッターの集中力というのは、一つのことに集中するというより、一つのことに集中することによって、広く全体が静かに落ち着いて見えるようになる、というのが本当の集中力です。

武道で言う無念無想。

これが例えば、パンチが来るぞと、パンチに集中していたら、パンチは分かったとしても、蹴りやタックルには、反応できなくなります。

そんな感じで、集中力には、一つのことに集中している反面、広がりのようなものがある。

 

こうしたことを分かっていないと、間違ったことを教えて、余計に集中出来なくなってしまう。ボルトにもっと集中しなさいなどと言ってしまうかもしれない。

子供なんて言うのは、大人以上に結構集中力を持っているものですが、集中力を持っていない大人が、集中力について教えてしまうと、自分と同じようになる。

大人には、子供が無心になって蟻を見ていることの重要性が分からないのです。分からないから凡人の方法を強制し、天才も凡人になる。

ari

 

今回話したかったのは、その集中力の話ではなくて、一点集中した力の使い方、行動の仕方が必要だという事。むしろこっちの方が、集中という言葉は合っています。

例えば合気道などで、相手を投げ飛ばしたりしているのを見ると、嘘くさく見えたりします。それは自分の延長で考えてしまうからですが、合気道の達人たちは、それとは違う方法を行って、相手を崩したり、投げ飛ばしたりする。

その方法が、体の集中力。

 

通常何か力を入れる時に、体の全てが強調して働いているかのような感じがするのですが、実はそうした感じがしているだけで、部分の力になっています。

それを本当の意味で繋げて一つにして、相手に体全体の力を発揮するから、体格に劣っていたとしても、相手に響かせることが出来るのです。

 

これは孫子の兵法にもあり、

「我は専もっぱらにして一となり、敵は分かれて十とならば、これ十をもってその一を攻むるなり」

というものがありますが、訳は、

「こちらは集中して一つになり、敵は十に分散したとすれば、こちらは十の力で敵の一の力に当たることになる。すなわち味方は多数、敵は少数なのである。」

 

またここから「各個撃破」と呼ばれる有名な戦略が生まれました。昔の信長とか三国志のゲームでは、各個撃破が基本中の基本でしたね。

またちょっとマニアックですが、たまに紹介していた銀河英雄伝説の動画でで、よく「各個撃破せよ」と言っているのですが、こういうことです。

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通貨の取引をしてその差額で儲けるFXで、失敗する人の特徴で、「コツコツドカン」とよく言われている。

これはコツコツ小さく稼いで、最後に大きく損をして負けるということで、FXで勝てない人は、この「コツコツドカン」が多い。

勝つためには大穴狙いではなく、確実性を求めて、コツコツと利益を積み重ねていく。しかしそれだけでは当然大きく稼ぐことは出来ない。

そのためある程度稼ぐためには、行くべき所、チャンスの所では、麻雀と同じ様に勝負に出る。

 

もちろん勝負に出る以上、リスクはある。

しかしリスクがないような都合のいいものは余りないし、ボクシングをやって、「一発もパンチを貰いたくない」、とは言っていられない訳です。

ただ勝負に出たと言っても、自分の思惑とは相場が逆に動いた時には、損切をしっかりしておくことで、大きな負けにならずに済む。

自分に都合のいい事だけではなく、その逆も想定しておく訳です。

 

これが上手く行かないと、もしコツコツ稼いで上手く行った時には、気が大きくなって、チャンスでない所で大きくかける、根拠のないただの勘、思い込み、希望で大きくかける、もっと稼げるのではないかと欲が出てしまう、

また想定とは逆の動きをした時に、「きっと戻るはずだ!」など自分の希望で考え、さらに負けが大きくなり、「ドカーン!」と来てしまう。

もしくは逆を想定できない人は、ジャブ一発くらうことにもおっかながって、勝負には決して出られないでしょう。

 

「私は勝負なんかしたくないから」

という人もいるかもしれませんが、行くべき所は行かないと、実はそれもまた負けてしまうのです。

三国志時代よりももっと前の時代で、「項羽(こうう)」と言う人と「劉邦(りゅうほう)」という人の戦いがありました。

最終的には豪傑の項羽を下した劉邦が勝ったのですが、その劉邦の下に、国士無双と呼ばれた「韓信(かんしん)」という、非常に優れた武将がいた。「背水の陣」の言葉も、この韓信の戦略から生まれています。

しかしその韓信は、主君である劉邦に従っていたのですが、力や功績が非常に大きかったために、項羽を倒した後、疎まれるようになる。

それを分かっていた韓信の参謀は助言をしていましたが、それを受け入れなかったため、天下を取れる好機を逃し、謀反の疑いをかけられた後から、「やっぱり俺やる」と思ったのだけど、結局韓信は殺されてしまう。

 

好機であるなら、勝負だとか何だとか関係なしに、それは行かなければならない。

また行く時には、一点集中、各個撃破戦法の如く行動する。

例えばお金を使うにしても、普通は「あれもしたい、これもしたい」とあって、分散して使うためお金がない。

そうではなく、本当に必要なもの、やりたいものなどには、それに一点集中することによって、大きな力を発揮することが出来る。

逆にそれが出来ないと、各個撃破戦法の餌食にされてしまう。流れに呑み込まれてしまうのです。

 

勝負で分かりにくければ、恋愛が分かり易いかもしれませんが、例えばモテる人であれば、基本的に常に恋人がいて、寄り添ってくる人がいる。

それに容姿もお金も何かも無ければ、自分が恋人として選ばれる可能性は少ない。

しかしチャンスを探していれば、必ずあるもので、そのチャンスに一点集中すれば、恋人に慣れる可能性は高いでしょう。

それをしないでいつも、いつもの感じだと、いつもの感じが続き、次に大きなチャンスが訪れるのは、数年後とか数十年後とかになる。

 

恋愛でなくても、病気になった時でも、子供の教育のことでも、プロアスリートを目指したいでも、何か新しいことを始めたいでも、また今の様に穏やかな生活を続けていたいとしても、チャンスの時、行動すべき時に行動する、

一点集中の力でもって、エネギーを注ぎ込む、といったことが必要になる事がある。

惰性の力とか、ダラダラしているとか、居ついた腰ではない。

 

最近では災害も多いので、いつ何が起こるのか分からないというのもあります。

「フェザーン回廊を通過しない、というのは人間が定めた都合であって、宇宙開闢以来の法則ではない。同盟の奴らがそう思い込むのは勝手だが、奴らと幻想を共有する義務はないのだ」

by ラインハルト

(ちょっとマニアックですね。笑)

 

今までが大丈夫だから、これからも大丈夫とは必ずしも言えないもので、何かあった時に行動できる様、頭も心も体も準備しておく。

北海道にも地震などの大きな災害があるかもしれないと、ちょっとでも頭に入れておくだけで、もし本当にそうなった時に、立ち直り方というのは、差が大きいはずです。

またその時には、一点集中した行動力を発揮する。

火事になった時に、ばあさんがタンスを担いで運び出すほどのパワーを、発揮出来る準備をしておきましょう。

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