もちろんこうした体の使い方を勉強すれば、野球などスポーツをやっている人だけに限らず、日常生活でも体を楽に使えるし、関節や筋肉を痛めなくても済みます。
その例として行ったのが、段ボールなどのものを持つ時の、体の使い方。
まずは段ボールを持つ時の様に、両肘を約90度に曲げ、それを上から相手に抑えて貰う。
腕ヂカラだけでは、強いパワーを出すことは出来ないし、体も痛めます。
私は筋トレをやっていないので、筋肉に過度な負担をかけると、直ぐ痛めてしまうのですが、女性に抑えて貰った所、腕ヂカラで耐えると、軽く痛めてしまいました。
「これが肉離れなどの怪我の原因です。」
「でも仕方がないので、もう一回見せますけどね」
と言ったら皆笑っていましたが、こういうやり方が体を痛める原因。
そうではなく、身体全身を使うような感じで行うと、楽になる。抑える方も一生懸命抑えてもびくともしません。
またこれの応用で、四つん這いになった人を、ひっくり返すやり方。
普通は力でやるので、同レベルの体格であれば、相手が抵抗するので、返すことが出来ません。しかし力を楽に使って行うと、抵抗して来ないので、楽に返すことが出来ます。
他には、「使わないことが、実はかえっていい事もある」との説明で、後ろから相手を抱きかかえ持ち上げる時に、楽に持ち上げる方法。
ちょっとしたコツを使うことによって、相手を楽に持ち上げられるようになります。
更に面白かったのが、持ち上げられる時、持ち上げられたくないと嫌がれば、却って体が軽くなって、相手は楽に持ち上げることが出来、またその逆を行うと、全く持ち上げられなくなる。
常識の逆をやることによって、上手く行くことがあるのです。
この逆の発想は、非常に面白く、セミナー参加者も皆目を輝かせていました。
大人になると知識が増え、感動しなくなりますが、常識とは違うことを体験すると、純粋な子供心を取り戻すことが出来、またそうした体験をすることで、全く別な世界も徐々に見えてきます。
また逆の発想を持てることによって、何か行き詰った時なども、乗り越えやすくなります。
では、また次回お待ちしています。