横山さんのがんは、横紋筋肉腫と呼ばれる、一般的には聞きなれない癌ですが、癌が見つかったことで、再び入院生活が始まる。
今度の治療は、三週間に1クールの治療の他に、更に48時間新たな薬を投与し続ける治療で、それが大変辛く、今まで以上に強く吐き気を催す。
一回目の治療の日は、朝の四時から吐き気が止むことはなかった。
三日間水も食べ物も何一つ口にすることが出来ず、お腹が空いても食べ物を見ただけで吐いてしまう。ただただ時間が過ぎていくのを耐えるしかない。
また、痛み止めが効かなくなったため、モルヒネを点滴で使うようになったり、白血球、赤血球、血小板の数値は下がる一方で、多い時は1日おき、2日連続して輸血することも珍しくなかった。
それでも全コースの治療が終了し、無事退院する。2006年11月15日。
しかし2007年2月22日に、二度目の再発。
横山さんは、あとがきにこう書いている。
歩くこと、話すこと、見ること、聞こえること、喜ぶこと、悲しむこと、そして生きること。当然のようにできている人間は何とも思わないけれど、これらはすべて当たり前のことなんかじゃない。私もバレーボールをやっていたころはよく「休みが欲しい」などと思っていましたが、突然病気になってバレーボールが出来なくなってから、当たり前にバレーボールをしていたことが、それだけでどんなにすばらしいことかに気が付きました。
どうか、この世の中で、生きたいと願っても、生きられなかった人がたくさんいることを知って下さい。
そして、みなさんの大事な、たったひとつの尊い命を大切にしてください。
今という瞬間を大事に生きて下さい。
2008年4月17日。
本の完成を見ることなく、横山友美佳さんは永眠した。