集中力などの言葉はよく使いますが、集中力の意味が余り分かっていないために、間違った意味で使われていたりする。
例えば世界陸上でラストランを飾ったウサインボルトは、走っている時は、雑念だらけだと言います。
折角なので少し世界陸上について触れておくと、ボルトは世界陸上前、顔がげっそりした感じで、シーズンベストも余りいいものではなかったので、コンディションは余りいいものではなかったです。
それにしても金メダルを取ったガトリンは、ブーイングを浴びていましたが、金メダルとってブーイングを浴びる選手って、記憶にないですね。笑
凄かったのは、今回はダメでしたが、サニブラウン。その内200でメダル取れる確率は、結構あると思います。
100Mのスタート直後にバランスを崩してしまいましたが、100Mではそうしたことは、結構あります。
一般にただ足が速ければいい、などとしか考えないかもしれませんが、スタートも走るのも100Mも、高い技術を要求されます。
足が遅い人は、筋力の問題ではなく、技術の問題です。しかし技術は教えて貰えないから、自分の持っている技術、基本となっている技術で、後は筋力強化しかない。
スタートでバランスを崩さない為には、さらに技術を磨く必要があり、それとサニブラウンはスタートの反応が悪いという欠点がありますが、それらは改善する余地があり、若さもあるため、技術も筋力もまだまだ伸びしろがある。
だからこそ期待が持てる。
逆に完成されたもの、間違いが無いものは伸びしろが無い。
完成された三杉君より、翼君の方が将来性があるのです。
よく現時点での成績から、「将来プロになれるかもしれない」などと考えたりするものですが、重要なのはポテンシャルがあるかどうかで、今がよくても、ポテンシャルがなければ、伸びは止まるということです。
しかしそのポテンシャルがあるかどうかを見分けることは、難しいのでしょうね。
ただポテンシャルの判断が分からなくても、一つのことに気を囚われてしまうと、他のもの全てが見えなくなるので、今の成績に拘るとか、自分の思いとか、熱くなったりし過ぎないことが、大切になってきます。
ついでにもう一つ100Mでは、「速さだけではなく強さもいる」、とよく言われますが、その強さというのは、隣に並ばれたり、相手が前にいたりなどすると、自分のリズムを崩して、力んでしまう。
そうしたことに惑わされず、いかにリラックスして、自分のパフォーマンスを最大限発揮できるかが「強さ」です。
それと100Mの多田修平選手は、中間走は世界トップレベルの走りをしていて、後半は課題ですが面白い選手です。
顔も可愛らしいので、もし夜中でなかったら、女性から人気出ていたんじゃないでしょうか。
日本の短距離はレベルが少しずつ上がって来ていて、短距離のレベルが上がれば、恐らく長距離のレベルも上がり、また陸上だけではなく、スポーツ全体のレベルアップに繋がると思います。
短距離の身体作りが、他にも応用できるからです。
長距離では、ケニア、エチオピアなど、圧倒的な力を誇っていますが、それに勝つためには、全身バネの体を手に入れられない限り、難しいでしょう。
日本人の場合は、そこまで繋がっていない。だからその分ロスする。
短距離のレベルが上がると、それが長距離にも応用が効くので、長距離のレベルが上がる訳です。
ただこれは小さい頃からバネを身に付けていなければ、後天的に身に付けたとしても、まだ厳しいでしょうね。マラソンの方が結果は出しやすいですが、トラック種目では、もう暫くかかると思います。
長くなってしまったので、続きはまた次回。