スポーツは体ではなく、頭の問題

スポーツでプロになれなかったとすれば、多くは「才能が足りなかった」などのように、体の問題だと考えます。

しかし多くは体の問題ではなく、頭の問題で、体の問題をどうこう言うレベルまでには行っていません。

 

例えばウエイトトレーニングをやっている人で、「生まれつき、大胸筋が発達しにくいんです」、「広背筋が発達しにくいんです」などの様に言う人がいます。

しかしその人のトレーニングフォームを見れば、ちゃんちゃらおかしい我流のフォームで、それで発達する方がおかしいというトレーニングをやっているのに、それを勝手に「遺伝だから」と決めかかっている。

果たして、その人の筋肉が発達しなかった原因は、体の問題でしょうか。

体の問題ではなく、頭や性格の問題でしょう。

 

確かに人それぞれ、体の弱点のようなものがあり、発達しにくい筋肉がありますが、それが分かるには、ウエイトトレーニング上級者レベル位のトレーニングを行って、初めて分かってきたりするもので、

解剖学や栄養学などの勉強もすることなく、我流でトレーニングしている人が、分かるものではありません。

これは個性と似ていますが、個性は自分の癖を無くして行って、初めて自分の個性が分かってくるように、本当にやり込まないと、遺伝的な自分の体のことなど、分かりっこないのです。

しかし多くは、そこまでやり込むことはなく、妄想で「私は生まれつき大胸筋発達しないのです」など自分を正当化しようとする考えが出てくる。

 

スポーツもそれと同じで、確かに肉体的な才能というのもあるかもしれませんが、多くの場合、才能を語るほどのレベルまでに、到達できていなく、殆どは体の問題ではなく頭の問題なのです。

例えば例えば50年前の練習法で一生懸命練習し、その限界に達した。果たしてそれは、才能の問題でしょうか。最新の練習法でも、同じ結果になっていたのでしょうか。

当然違いますね。

誰に習うか、どういった環境か、どういった練習なのかで、まるで結果は違う。それなのに体の問題だと考えるのです。

 

誰に習うか、どういった環境か、どういった練習なのかで、まるで結果は違う、と考えるのも、頭の問題で、このことについて真剣に考える人は少ない。

逆にプロや一流選手に育てるような親たちは、それを重要視し、最大限の力を注ぎこみます。

例えば卓球の福原愛さんなどは、小学生に入る時、その学校の制服とランドセルも買って、学校に行くことを楽しみにしていましたが、入学する直前に、こっちの小学校の方がいいと、変えているぐらいですが、殆どの人は、そんなことはしないでしょう。

そうしたことをやってきたからこそ、普通の人とは、まるで違う結果を出せたのであって、ただの体の問題ではないのです。

 

毎日夜九時まで一生懸命練習することも立派ですが、誰に習うか、どういった環境なのか、どういった練習なのかで全く変わってしまう為、どんなに一生懸命練習しようとも、それがもしレベルの低いものであれば、望む結果にはならない。

それは才能がなかったのではなく、やり方が悪かったためです。

またプロになっている人が、人っ子一人もいないような環境であるなら、その方法に取り組んでいる限り、まず無理だろう、だから何か手を打たなければならない、となるはずなのですが、そう考えられる人も少なく、またそれも頭によるものです。

 

イチローが他の選手より優れているのは、体もありますが、頭が優れていたからで、その頭に則って練習して来たからです。

どういう練習をするか決めるのは、頭です。

またそれを教えたのが、お父さんです。

それを中途半端にバッティングセンターに行けばいいと、真似をした所で、何の意味もない。その中途半端な真似の仕方をするのも、それとも本質を学ぶのかを決めるのも頭。

 
遙か遠くのとある国から、宝島にたどり着いている人たちがいる。

それを聞いて村からも、宝島を目指して多くの若者たちが航海に出る。しかしこの村から航海に出た若者は皆死に、辿りつけた者は一人もいない。

それでも子供が宝島を目指したいと言うのであれば、それを応援するのが親の務め。きっとお前であれば、たどり着けるだろう。

そうやって、何人もの若者が命を落としてきた。
 

そんなある日、遠くの国から旅人がやってきた。

その旅人の話によれば、宝島にたどり着いた若者たちの乗っていたのは、イカダではなく、船と呼ばれていて、またそれにはレーダーというものが付いているらしい。

またその旅人は、レーダーを作る事も可能であり、望むのならそれを作って見せてもいいと言う。

船?レーダー?何だそれ?

この村からは、誰もそんなものは使っていない。そんな怪しげなものに頼らずとも、立派なイカダを作っている。私は何十年も、イカダの作り方を教えて来たんだ。

誰も話は聞かなかった。
 

ある若者も宝島を目指すため、一生懸命イカダを作ってきた。

親も自慢の息子である。

見てみなさい隣の与作のイカダを。あれはイカダと言うより丸太だ。お前の作った頑丈なイカダであれば、きっとたどり着けるだろう。

お父さんも応援しているぞ!フレ―、フレ―、頑張れ息子!

いいか!プラス思考だ!たどり着けると思えばたどり着ける。

お前は他の奴とは違うんだ。

そして息子は旅立った。

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