イチローを一流に育てた父 4

バッティングセンターに通うことの大変さは、毎日通うことだけではありません。もう一つ大変なのことは、お金。

毎日通っていたから、バッティングセンター代だけで、毎月四、五万円もかかっている。

普通は、そこまでお金は使えないでしょう。だから毎日通うとか、思う存分やらせるとか、一日二回も行くといったことはしない。

しかしイチローのお父さんは、それをやっていた。

 

と言っても、他の家庭に比べ、特別に裕福だった訳ではなく、イチローも「お父さんの給料、いくらなの」と、聞いてきたこともあったぐらいです。

それでも毎日通い、イチローがやりたいと思うだけやらせ、お金を使い続けてきたのは、それがお父さんにとっては、結構な出費であっても、イチローのためになると考え、

またお父さん自身も、他のことにお金を使うより、このバッティングセンター通いが、何より楽しかったのです。

 

ここがイチローの親に限らず、子供をプロに育てる親と、そうでない親との大きく違う所でもありますが、普通は他にもやりたいことが色々あるので、お金をそれらに分散させて使いますが、

それに対し、プロに育てる親は、プロになること以外には興味がないから、一点集中型のお金の使い方をし、またそれを好きでやっている。

収入の差は、余り重要ではない。

 

バッティングセンター通いに関して、もう少し補足すれば、あれだけの球数を、全てバッティングしていた訳ではありません。

疲れて来たと思ったら、イチロー自らバントの練習に切り替えていた。

またお父さんは、自分からは出来るだけ何も言わない様にしていて、細かいことは、絶対言わない様にしていた。

 

この辺が、「子供をプロに育てるんだ!」と、熱心になって失敗する親と違う所ですが、本質を理解することなく、ただイチローがバッティングセンターに、通っていたことだけを真似ても、イチローのようにはならない。

 

ついでに、もう一つ面白いエピソードは、イチローには、ボール球は決して振らせなかったこと。

普通は、もったいないので全部振ってしまいがちですが、ボール球を振ってしまえば、フォームが崩れてしまうので振らせなかった。

またそれにより、選球眼も養っていた。

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