過去で判断しない

「過去でその人を判断しない」、とは言われたりもしますが、他人のことだけではなく、自分のことであっても、過去で判断することは危険です。

正しいか正しくないのか、信じるか信じないかなど、物事の判断は全て、過去の自分の経験によって判断しています。

しかし過去に騙された経験、トラウマを抱えているなどがあれば、ニュートラルな状態ではないので、正常な判断は出来なくなるでしょう。

それともう一つ重要なことは、自分の今まで経験して来たことでは、全く理解出来ない世界、知らない世界もあり、自分が経験して来たことで判断しても、それを理解することや、受け入れることは出来ないことです。

 

例えば武道の達人と言われる小柄なじいさんが、屈強の弟子たちを投げ飛ばしている姿など見ても、信じられない人の方が多いと思います。なぜならそんな人に出会った経験もなければ、自分にはそれが出来ないからです。

そうした場合どうするかというと、過去の自分の経験から考えて、調べたりすることもなく、「そんなのは嘘だろう」と考える。

もしそれが本当だとすれば、自分の今までの価値観が覆されることになり、自分が否定されることにもなりかねません。

だから嘘だと考えた方が、自分にとって都合がいいのです。

 

これが女性の場合であれば、割と否定しないで信じたりもする。武道について詳しくなければ興味もないので、それを信じようが信じまいが、自分に大きな影響がないからです。

だから男性が「そんなの出来るはずがない!」と考えるのに対し、女性は「へ~」ぐらいに思う。

ただ女性にも考え過ぎてしまうタイプがいて、私が合気道の様に、一般的な筋力ではない体の使い方をやってみせると、酷く考えてしまう人がいます。

それは今までの自分の過去や考えから、色々答えを探し出そうとしているのですが、たとえ人生を30年も40年も、またそれ以上に生きていようが、無いものもあるし、無いものからいくら考えても答えが出る筈がない。

 

テスト勉強にしても、分からない問題などを一々考え込んでしまう人がいますが、知識があって考えれば分かる問題であればいいですが、分からないものはいくら考えた所でわからないので、さっさと次に進まない限り、いつまで経ってもわからない。

それを誤解して、自分は勉強が苦手だとか、好きでないなどとなったりする。

 

自分の持っている世界観は、自分の過去の経験から作り出したものです。それが全てのような気がしてしまいますが、それ以外の世界を知らないだけで、自分の世界観は絶対ではない。

もっと世界を広げていきたいと言う時には、今までの過去から考えた所で全く意味はなく、また理解不能であるし、それを受け入れることが出来なくなるので、自分の過去の経験から判断しないことです。

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