『病気にならない人は知っている ケヴィン・トルドー著 黒田眞知訳 幻冬舎』47項に面白いことが書かれているので紹介します。
そもそも、なぜ食品に添加物を入れるのだろうか。世界有数の缶詰食品メーカーの重役と、スパで一緒になったときに聞いた面白い話をしよう。
この重役は、食品には数千種類もの化学添加物が使われているが、その多くがラベルに表示されていないことを認めた。それらの添加物は健康に害があって、現代病の原因になっているのではないか、と私が水を向けると、彼は使用されている化学物質は百パーセント安全なもので、しかもごく少量だから人体への影響はまったくない、と断言した。
さらに私は尋ねた。「もし百パーセント安全だと言うなら、あなたにその化学物質をグラスに入れて差し上げたら飲んでいただけますか?」と。その重役は口ごもり、あいまいな言葉を繰り返した。私が同じ質問を十回繰り返しても彼は明確な返事をしなかったが、最後には添加物が有害であることを認めた。それでもごく微量だから人体には影響はない、と繰り返した。
そこで私はとっておきの質問をぶつけた。「それほど微量で人体に何の影響もないのら、食品にも何の効果もなさそうですね。そもそも何のために入れているのですか?」。その重役はふたたび答えに窮した。しかしぎゅうぎゅう問い詰めると、とうとう絶大な効果があることを認めた。添加物を入れると食品をより長く保存することを可能にし、食感も増すそうだ。しかし、添加物の効果はそれだけではないことはあきらかだった。そこで私は、インサイダーや内部告発者たちのネットワークを駆使して調べてみた。
食品業界は、たばこ業界と同じように秘密を隠している。彼らは、食べたらよけいに空腹感を覚え、太り、その食品をもっと食べずにいられなくなるような秘密の成分を意図的に入れている!その多くは違法な化学物質だ。よく注意して聞いてほしい。これは今世紀最大のニュースだ。上場企業で構成されている食品業界は、自分たちがもうけることしか考えていない。
中略
そんなばかな、と思うだろうか?コカ・コーラを思い出してほしい。かつてコカ・コーラはコカイン入りの着色加糖水だった。その名もコカの葉とコーラの実に由来する。コカ。つまりコカインは中毒成分だし、コーラの実はカフェインを含んでいる。派手に騒がれもせず、メディアに取り上げられることもなく、その成分は一九二〇年代にひっそりと取り除かれた。
※赤字は著者
添加物も商品と同じで、売れれば儲かる。だから添加物を作っている会社が、添加物が悪いとは絶対に言わない。また添加物メーカーと食品メーカーは、お互いに繋がっている。